Vol.264 新しい組織運営へのチャレンジその1

12日にCCCの全社員会をやりました。場所は、芸能人の結婚式やなんとか歌謡祭で
おなじみのグランド新高輪プリンスホテル飛天の間。
全国からおよそ2000名のグループ社員が集まりました。
店舗勤務などで参加できなかった社員もいましたが、3分の2以上の社員が
集まったことになります。

この日は、その前に東証で第三四半期の累積の決算発表(経常利益で過去最高!)
と増配についてお話しし、加えて、4月1日付でグループ内の主要13社を1社に統合し、
新たな組織体制を構築することを発表しました。

会社の統合は「CCCとしてのポテンシャルを最大化すること」と「顧客価値づくりの強化」
が狙いです。会社統合はカタチの面の変革としてもオオゴトなのですが、
それよりも、新体制の運営方針、つまりソフト面の改革の方により大きなチャレンジと
意図があります。

まず、組織の中から「階層という考え方」をなくしました。
顧客価値づくりを強化するためには、顧客に近くて、顧客のことがわかっている人が
意思決定するのが一番良いはず。
従って、ビジネスユニットのリーダーには上司をおきません。

例外的に、ある一つのビジネスドメインについては統括職を配置しています。
これは、そのドメインが急成長中である上に、社内から劇的にヒトを傾斜配分したために、
しばらくの間、組織が不安定だからです。それ以外は、個々のビジネスユニットの責任者にグループCEOとかCOOが有する権限の90%程度を委譲します。

組織図上は、全てのユニットがCEOとCOOに直結していますが、意味合いとしては、
CEOとCOOが”株主”でビジネスユニットのリーダーが”執行(社長)”になります。

事業計画と予算、それと事業の売却など資産の増減に関わるものは、
“株主”たる経営陣に相談してもらいますが、それ以外の全ての意思決定は
現場の責任者が自分の権限で行えるようにします。
“責任だけ先行して、権限がついてこない”という事象を耳にすることが多いですが、
CCCで今やろうとしていることは、この真逆です。
このやり方で “うまくいかなかったら経営の責任、うまくいったら現場の責任者のおかげ”
と話しています。

これを徹底するので、経営陣は日常的に意思決定に追われなくなります。
実際、上がってくる稟議への対応、意思決定のための数多くの会議体への参加で
忙殺れている状態から解放されることになります。
そうなると、現場の支援や人材育成に時間を割けるようになります。

現場の支援とは、経営陣が前号で書きました”用心棒”になることです。
用心棒は上司ではありません。あくまでも用心棒なので、適度な距離を保っておきます。
情報は共有していきますが、若きリーダーたちの自主性を損なうことはしません。
じっと見つめ、彼ら彼女らが”本当に溺れそうになったら”、救い上げます。もちろん、
若きリーダーたちに自分の経験値やノウハウを伝授するための “指南”をする場合には、
密室で軍曹をやります。それでも、このリーダーの組織に出かけて行って
上司的に振舞ったりはしません。

グループ全体の経営としては3ヶ月に1週間、缶詰(泊り込み)で徹底的に経営に関する
情報の統合と整理をします。予算と実績のレビュー、短期中期のフォーキャスト検討も
ここでやります。

つまり、上場会社の経営者としての時間、現場を支援する時間、それぞれ集中して
行なうようにするのです。これを「経営のタイムシェアリング」と名づけることにしました。

組織は遠心力型運営、かつ経営者はタイムシェアを採択。これで、上場会社として
おかしなことにならないように、経営陣として日常的に押さえるべき情報(顧客、
ビジネス、ヒト、競合、関連法規、経済情勢など)については、網羅的に押さえる仕組み
を設計しました。これがあるから、権限委譲とタイムシェアができるわけです。
(今後、IT化すること更にタイムシェアを進めます。)

当然ながら、議論の中で、部分最適を優先して組織と組織の間に落ちるような案件が
出た場合に、誰が拾うのか、という問題提起がありました。 これについては、
いたってシンプル対応することにしました。
周辺の組織のリーダーが”間に落ちそうだ”と感じた時点で、”自主的に”話し合って “
解決するのです。問題が起こりそうだと思ったら、声を上げてみなでカバーしよう
というものです。なにしろ、そこに調整してくれる上司はおりません。
“自主的に”がポイントです。ちなみに、それができないリーダーは
この組織体においては不適なので、すぐ変えます。(これもシンプル)

この組織が成功するための要素はなんといっても「主体性」と「情報発信と共有」。
これが進むためのいろいろな仕掛けも用意しています。これらは、またの機会に
それぞれご紹介していきましょう。(とても書ききれないし!)
とにかく、やるべきことは見えたので、後はやるだけ。

おまけー1:
近所のスーパー銭湯で、いかにも「や」のつく自由業風の方が海パンをはいて
湯船につかっていました。お約束的に近くにいた3歳くらいの男の子が
「あー、あのおじさん、パンツはいてる!」 (息を飲む周囲!)すると、
その「や」のつく自由業が「あとで女湯の掃除に行くんだよ、ふふふ」(さすが!)

おまけー2:
恵比寿のお好み焼き店のウエイターとウエイトレス。見事にテーブルでマヨネーズを
光線銃みたいにピューッとかけてくれます。「これって、お客さんにかけたことあるでしょ」
と聞いたところ、「いや大丈夫っす。」 (遠くでキャーっという声)

おまけー3:
久しぶりに六本木の「金魚」へ。昔からのスポンサーが下りている気配があり、
なかなか大変そうですが、相変わらずのクオリティ。元気をもらいました。
とりわけ新人が頑張っています。特に「高橋さん」という新人女性ダンサーが
光っていました。オオバケする可能性あり。

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