Vol.303 「夢中力」を広げたい

先週は、新潟、宇都宮、福岡、鹿児島・・・と巡りました。
なんだか、Jポップの歌手(しかも過去にそこそこ売れた復活系)の
キャンペーンみたいだなーと思いつつ。

中でも新潟!ここへの旅程はなかなかです。新潟までは東京から2時間余り。
越後湯沢で窓の外の風景がどーんと変わります。

何度も見ているのですが、毎回、”おおっ”と感じ入るものがあります。

東京の丸ビルの近くで、いかにも春らしい”チューリップ”の植え込みを目にして
“春が近いなあ”と思いながら新幹線に。

1時間半くらい新幹線の中で仕事。トンネルでネットワークが遮断され、
長いトンネルを抜けて、やれやれと見上げると、そこは越後湯沢。
あたり一面雪世界です。場合によっては吹雪いていたりもします。

日本という国がいかに”縦に長い”か、これを感じる瞬間です。

その新潟からの帰りにこんな事がありました。

MAXの2Fの車両に私を入れて乗客が3名。がらんとしていました。
当然に車内はとても静か。ところが、宇都宮を越えた頃から、
後ろの方から”アウッ!”という高い声が聞こえてきます。

それも、一定の間隔で何度も。

さすがに気になったので、トイレに立つふりをして見に行きました。

すると、私と同じ年(48歳)くらいのおっさんがイヤホンをかけながら歌っていました。

見た目は「Shall we dance?」で竹中直人演ずるラテンの青木さんです。
しかも、イヤホンから漏れて聞こえるその曲は、Princeの「Kiss」。
おっさんは、すっかりノリノリ。自分の世界に入っています。

現場の確認が済んだので自席に戻って仕事を再開したのですが、
何度も”アウッ!”と高い声が。Kissを5回くらいうたってる感じです。

さすがに、周囲に声が漏れてますよ・・・
と教えてあげようかと迷い、Twitterでつぶやいたのですが、
“やめとけ”系のコメントが多かったので、ほおっておきました。
そうこうするうちに、Kissのおっさんは上野で降りていきました。

このおっさんを真似ようとは言いませんが、そういう風に
自分を没頭させられる瞬間があるのっていいですよね。
夢中になれる瞬間、これを持ち続けていたいものです。

仕事でも遊びでもなんでもそうですが、年齢を重ねるにつれて
「夢中になる」瞬間を自ら少なくしていっていませんかね。

「夢中になる」のは若さの特権。大人が「夢中になっている」のは
気恥ずかしいのかもしれません。でも、そんなことはないと私は思っています。

私が好きなサムエル・ウルマンの「青春」の中のくだりです。

・・・青春とは人生の或る期間を言うのではなく心の様相を言うのだ
優れた創造力、逞しき意志、炎ゆる情熱・・・
安易を振り捨てる冒険心、こう言う様相を青春と言うのだ
年を重ねただけで人は老いない。理想を失う時に初めて老いがくる・・・

夢中になれるものを持ち続ける。それを放棄したときに「老い」がきます。

夢中になっているとき、そのヒトの目はキラキラして、
エネルギーが満ち溢れてきます。
そういうヒトの周りにいるヒトはそのヒトの「夢中力」に触発されて、
自分も夢中の仲間入りをします。
そういうヒトがあちこちでハブになって、「夢中」が広がっていくと、
社会が元気になるように思います。

今の日本、あちこちで「夢中力」が足りなくなっているように思います。

これをなんとかしたいですね。
特に学校、職場、家庭というヒトが時間を費やす3大スポットでの
「夢中力」を高めたい。そう思っています。

木、金とTSUTAYAの加盟企業さんを対象とした
「出張:柴田塾」の九州版を開催しました。
「問題解決の思考法」をマスターしてもらう演習で、いつもながら、みなさんが
目をキラキラさせながら議論をしてくれました。年齢は関係ありません。
28歳から52歳の参加者が8時間強に及ぶハードなプログラムに、
同じ姿勢で同じ熱さで向かう・・・、素晴らしい。

この「夢中力」が、彼らが職場に戻ったときにどう発揮されるか、
どう「夢中力」をその組織に伝播させていくか。楽しみです。

おまけー1:ちなみに私が「夢中になっていること」。 たくさんあります! 
というか、わりとすぐに夢中になります。この前はタコ焼きをつくるということに
夢中になりました! 私が実年齢よりも若く見えると言われるのは、このせい?

おまけー2:先日、目黒のタイ料理店で隣のテーブルのタイ人グループと懇親。
「おにいさん、何歳?」「何歳に見える?」「うーん。32歳くらい。」「あたりー!」
 (一緒にいた人から「恥ずかしいすよ・・・」と指摘。 確かに・・・)

おまけー3:「夢中」の夢つながり。先日、ある人から”明晰夢“について聞きました。
うーん、興味深い。夢を思い通り、操れるのかー。

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