Vol.378 上司として絶対にやってはいけないこと

「上司として絶対にやってはいけないこと」。

先日、某メガバンクの幹部の方々の勉強会でお話しした際の話題です。
なかなかおもしろいテーマで、しかもヒヤリとする内容だったので、
今日のメルマガのテーマにすることにしました。

では、上司NGワースト5。

その1:組織のラインを無視して指示する (社長、役員)

これは社長や担当役員の方々への忠告。部長を飛び越して課長や一般社員に
指示を出すのが一般化すると、組織が崩れます。
その際に部長や課長に一声かけていたり、”CC”しているのであればOK。
それをせずに、頭ごなしにやっていると、部長、課長の仕事力をどんどん低下させます。

“部長、課長が心もとないからやむを得ず直接指示をしている”。

それなら、その部長、課長を代えた方がシンプルです。もっともその”心もとない”ヒトを
配置したのは誰であるか、ということを忘れてはいけません。「任命責任」は、
最近わが国の国会でしょっちゅう使われている言葉ですが、
この場合はまさに任命した責任を感ずるべき。

“心もとない”仕事ぶりだとしたら、その責任の一端は自分にある、と自覚・反省して、
具体的に対処しましょう。
それをせずに”頭ごなし”の指示を続けていると、組織が不健全になります。

その2:部下の手柄をとる(中間管理職)

部下が頑張って仕上げた仕事が素晴らしく、それを上司が評価した瞬間に、
自分がやったかのようにアピールする中間管理職がいます。
当然ながら、その上司の下で頑張ろうと思うヒトはいなくなります。
何がひどいって、手柄の横取りで、その部下の存在が「無」になってしまっていることです。

上司の言い分としては、自分の着目点やガイダンスが優れていたために、
部下が成果をあげたということなのでしょうが、それなら、そこをアピールすればいいのです。

「**さんが頑張ってこれを仕上げました。これは彼の成果です。」と公の場で話す姿に
「上司としての高い評価」がつくものです。部下が活躍しているチームのリーダーは、
そういう状態をつくっているとして評価されます。チームリーダーは個人プレイヤーとして
評価されることよりも、チームが評価されることに執心すべきです。

その3:部下の背後から”撃つ” (中間管理職)

これは「その2」の逆版です。自分で指示しておきながら、部下の仕事に上からダメ出しされると、
保身のために、ダメ出し側の発言をすることです。

部下からすると最悪です。”はしごを外す”どころか、後ろから撃つ行為です。

私が駆け出しのコンサルタントだった頃のエピソードです。
某企業での重要なプレゼン、入社間もない女性のコンサルタント見習いがつくった資料に
誤りがあることがプレゼンの席上で発覚しました。
そのとき、そのプロジェクトのリーダーだったヒトが公然とその女性を非難しました。
しかも罵るように。さすがにこれはびっくりしました。クライアントからしても、
部下のミスをかばわない上司として最低の評価になったことは言うまでもありません。
ちなみにこの女性、その後、1週間ほど会社を休みました。

その4:お代官な (役員)

“資料ができたら持ってこい”と言うものの、自分がどういう考えでその資料を求めているのか
はっきり伝えず、出てきた資料を見て判断する、というスタイル。
要するに考えずに資料を出せ、と言っているわけです。
これでは資料を作る方はたまったもんじゃありません。

部下が超優秀か超能者でもない限り、不毛な資料づくりが延々と続くことになります。
ダメ出しはする、しかし、どこがダメでどうすればいいのかは言わない。(言えない。)
要は”気に入ったやつ”が出てくるまでやらせるというスタイルです。
これでは、部下の時間が相当無駄になります。(組織的な損失です。)

その5:不誠実な言動を強いる (役員~中間管理職)

なんらかの利己的な目的のために、部下に本意ではない言動をさせる上司がいます。
たいていの場合、それはとても些細なことです。だからいいだろう、と部下に強いる。
こういうことがはびこると組織のタガが外れ、組織犯罪の温床となります。

ということで、この5つの中でヒヤリとする内容がありましたら、
気をつけて。無意識のうちに「上司道」を外れております。

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おまけ―1:「下町ロケット」読了。久しぶりに一気に呼みました。いやー、おもしろかったです。

おまけー2:「アストロ球団」と「群竜伝」をAMAZONで取り寄せて一気に読みました。
いずれも、モチーフは「南総里見八犬伝」。私の少年時代の一角をなす漫画です。

おまけー3:「柴田塾」のケーススタディの「新作」執筆完了。
疑似体験型ケーススタディがだいぶ進化してきました。

これ新しいジャンルだと思います。 (^^)v

 

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