Vol.521 将来を予見し手を打つ:人事編

昨日、「第二回2020年人材育成責任者の会」がスタートしました。

 

この会は、“2020年までに世の中にどのようなことが起きているかを予測し、それが

企業や団体の組織・人事マネジメントにどのような影響が及ぼすか、今から何をして

おくべきかを検討する場です。今回も大企業、外資系、中堅と多様な顔ぶれが集まりました。

 

将来予測なので、頭の体操です。

 

将来どうなるかを考え、あらかじめ打ち手を検討する。事業について、この手の議論は

よくされますが、なぜかヒトに関しては“なおざり”のことが多い。しかし、ヒトに

関することは移行から定着・実行までに時間を要します。先に先に検討しておくに

越したことはありません。

 

会の冒頭に私から問題提起として以下の12のシナリオを提示しました。

 

1 遺伝子情報サービスが一般化している

2 マイナンバー法の運用が定着している

3 大学進学率が停滞。学歴価値が更に低下している

4 中国経済のバブルが崩壊。東南アジア市場が急成長している

5 東京以外に“経済圏”が複数存在、外資が誘致されている

6 女性管理職比率30%が義務化している

7 法定福利費が25%に達している

8 ホワイトカラーエグゼンプションが採用されている

9 公的年金の支給開始年齢が70歳になっている

10 多くの企業で社内の外国人社員比率が10%を超えている

11 一般的に社員の兼業が解禁されている

12 開業率が10%に達している

 

現在、政府が指向している方策がいずれも進展し、かつ人口動態や社会の動静から起こり

うることを想定シナリオとして挙げました。

 

「ロボットの社会インフラ化」については敢えて入れませんでした。「2025年」とすると

確実に入れた方がいいと思いますが、映画「アイ・ロボット」のような世界になるまでには

技術的な課題のみならず、倫理面での議論に時間を要すると思っていますので。

 

また、「中高年フリーターが増えている」も敢えていれませんでした。現在、多くの

大企業で採られているリストラ施策、年金状況から“起こりやすい”シナリオなのですが、

これは2020年というよりも、ある意味で喫緊課題なので、この研究会の議論の外に置きました。

 

さて、研究会では、それぞれのシナリオについて、その内容を確認し、その後、インプリケーション

(どのような影響がもたらされるか)を議論し、この12のシナリオを「影響度の大きさ」

「実現可能性の高さ」の2軸で評価し、マッピングしてもらいました。

 

ちなみに参加者が選んだ「実現可能性が高く、影響度が大きい」シナリオのトップ3は、

 

「女性管理職比率30%義務化」

公的年金の支給開始年齢が70歳になっている」

「社員の兼業が解禁されている」でした。

 

(女性自身がそれを望んでいるわけではない中、30%という数字が独り歩きして義務化されると

その数値を達成するハードルが高い(人事としては大変)でした。これが女性参加者からの意見

として集約されたのが興味深い結果でした。)

 

今後、このシナリオに向かうとしたら、今の人事マネジメントの何をどう変えるべきか、

これが議論のテーマとなります。

 

議論の中身や結果は11月中旬までに報告書を作成することになっていますので、

Indigo BlueのWebサイトからご覧いただけるようにします。

 

この「未来を予測し、先手を打つ」議論ですが、ぜひ、みなさんの会社・団体でも実施される

ことをお勧めします。特に大企業で人事部員の数が多いところでは、1日くらい全員でこの

議論をされることをお勧めします。人事メンバーの勉強にもなりますし、かつチーム

ビルディングにもなります。

 

今回の参加者の40%が女性。議論の様子をみているとリードしているのは女性。

そういうことなのです。女性の活用は議論するよりも、“場”を用意すれば水が流れるがごとく

進むと思います。

 

 

おまけー1:先週は月、木、金、土と「セミナーハウスフォーリッジ」に。さすがに行き過ぎ。

 

おまけー2:研究会のランチタイム、“おもろい店はない?”という話に「店内に蛇口があって、

そこから焼酎が飲み放題の店があるので行きましょう!と。確かにおもろそう。但し、その人が

過去に飲み屋から救急車に3回乗っているらしいので、保護者付でいくことに。

 

 

 

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