Vol.530 女性活用議論の本質

数週間前、男女平等に関するあるコメントがネット上で賞賛されていました。

発言の主はマツコ・デラックスさんです。

 

「男の世界に合わせられる女の人じゃないと平等にならない」

「スカートはいてても中身は男でしょ」

「女性が男性に合わせることなくいられることが本当の男女平等」

 

本質を突いていると思います。

 

女性が活躍できる環境の整備、管理職への実登用・・・、女性管理職30%に向けて、

多くの企業で様々な試みがなされています。しかし全て男性がつくった仕組みの中での話。

ここをゼロベースで考えるくらいのことをしませんと、本当の意味で、女性が女性らしく

活躍できるようにはならないのではないでしょうか。

 

だいたい「女性の活用」という言葉がいけません。男性目線の言葉です。

 

また、女性だけで議論して提案(よくあるやつですが)をやりますと、「男性vs女性」

構造が生まれます。女性の意見を男性が聞くという構図です。このやり方は既存の枠組上での

検討作業です。既存の枠組みは男性がつくったもの。これだと変わりません。

 

提案します。ゼロベースの議論を男性・女性同数でやってはいかがでしょう。今ある仕組み

や法規制に縛られることなく、何がどうなれば男性、女性共に、社会や家庭の中での自分の

役割や生き方を尊重しつつ、仕事をする環境になるか、これを議論し、できるものから

実現していきます。

 

ゼロベース議論においては世代的要素も勘案します。

大企業であればこんなやり方があるでしょう。

 

25歳未満、アラサー、アラフォー、アラフィフ、アラシスの5つの属性から男女3名ずつ

選任して、計30名で検討会を構成。それぞれ、社内にSNSを立ち上げ意見を聴取しながら、

1年くらいかけて「理想の働き方」について議論・共有・意見聴取・議論を繰り返していきます。

 

年代別属性グループ間でそれぞれの議論のファシリテイターを担います。例えば、

アラフォーの議論にアラサーの誰かがファシリテイターとして参加、アラフィフの議論に

25歳未満の誰かがファシリテイターとして参加。こんな感じでやります。

 

この30名のスポンサーは社長です。社長の時間の5%を割いていただきたく。TOPの関与がない

“町おこし”運動は一過性の祭りになりがちです。社長がやるべきことは、一日30分でいいので、

これらのグループとの対話や、この活動について意見を発信をすることに充ててもらうことです

。(忙しい社長にこれをやらせるのは秘書の仕事です。)

 

さて、企業ごとにいろいろなテーマ、課題があるはずですが、働き方を議論する上で

「時間の使い方」は、間違いなく議論のテーマになるはずです。

 

これまでにも何度か「人事の目」でも掲げてきましたが、ホワイトカラーエグゼンプション

(残業という概念のない働き方)を当たり前にすること。これが鍵になると私は考えています。

 

自分の時間の使い方を自分で設計する。一定の時間帯に決まった人数を必要とするシフト

勤務以外では、これを当たり前にする。これができて初めて、一人一人が仕事と私生活の

両立を主体的に考える術(すべ)が生まれます。いまのままだと、主体的に考えようとしても

制限があり過ぎます。

 

ホワイトカラーエグゼンプション導入論を職種限定論や年収基準でやりますと、

「自分の時間の使い方を自分で設計する」という考え方が一般化しません。あくまでも

特殊な存在になってしまいます。これはいけません。特殊側が“とても気を遣うことになります”。

遠慮しながら、自分の時間の設計をしても長続きしません。結局、主流たる管理の中に埋没します。

 

“社員は放置するとさぼるから、管理職は社員を目の届くところに置き管理監督すべきである。

 

いい加減、この前時代的発想を止めたいですね。

 

仕事をしていく上で、成果に責任をもち、周囲の人に迷惑をかけずにやる。これさえ守れれば、

何時から何時まで働こうが、どこで働こうが関係ないはずです。

 

さぼりパフォーマンスが悪い、周囲に迷惑をかけるほど独善的、なのであれば、その改善を促し、

変わらなければ辞めてもらう(よそで働いてもらう)。このシンプルなやり方が良いと思います。

(よって解雇規制の緩和もセットなのです。)

 

 

おまけー1:11月13日はとても忙しかったです。柴田塾初日、Pathの第二四半期決算発表、

某TV局の取材・・・目が回るといかんと思い、ユンケルの粉末とエネジードリングを併用したら

超ハイに。

 

おまけー2:柴田塾も40期。継続は力なり。

 

おまけー3:今発売中の「The 21」で「疲れない仕事術」特集でコメントしています。

http://www.php.co.jp/magazine/the21/ 

 

・・・が、この11月はなんと土日をいれても1日しか休みがありません。これはいけません。

そのうち、どーんと休みます。

 

 

 

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