Vol.689 屈折心がもたらすこと

上司の悪口。中間管理職にとっての格好の肴です。笑える上司ネタはいいですね。

それが悪口であったとしても底辺に「愛」があります。そうでない“ただの悪口”は

いけません。楽しくありません。周囲に悪い気をもたらします。

 

中には自分以外のすべての人について、ネガティブ発言をする人がいます。

これは聞いている方も辛い。本人は批評をしているつもりなのでしょうが、

実のところは批判ばかり。いかにその人がダメであるか、こればかりです。

聞かされている方は辟易とします。ただ、下手な反応をすると自分もどこかでその人の

ネタになってしまうかもしれないので、適当に合わせます。そうなると、喋っている

本人はますます得意気になって言わなくてもいい事まで言ってしまう。

どの組織にもこういう人がいます。特に中間管理職の男性に多いですね。

 

この“悪口”、本人には絶対言いません。むしろ、本人には極めて好意的に接しています

。その人のことが嫌いなのではありません。評価されたいと思っています。

ある意味で認めている人です。しかし、陰では悪口を言ってしまうという屈折した心理です。

 

気づかれていないと思っていますが、多くの場合、本人に伝わっています。

“あなたの悪口を言っている人”を伝えるのは戦国時代より忠誠心の証です。

ここぞとばかりに伝えようする輩はいつの時代にもいます。

 

それを聞いて、態度を変える人はまだいいです。その上の人の度量が大きければ

大きいほど、表面的な態度は何も変えません。ただし、その人に大事な仕事を

任せることはしなくなります。大事な話もしなくなります。徐々に距離を置き、

絶縁です。そうなると、その組織の中での信頼回復はほぼ不可能になります。

 

上司だけではありません。この人の近くにいるとどこで何を言われるかわからないので、

みなが去っていきます。

 

この屈折心は実に厄介です。自分より劣っていると思っている同期よりも昇進が遅れた。

かつての部下と立場が逆転した。こんなときにこの屈折心が芽生えがちです。

しかし、人間ですから、誰でもこういう感情をもって当然だと思います。

 

この心理の背景にあるのは「自分を認めてもらいたい」という欲求だと思います。

組織の中の自分の立ち位置や評価に満足しておらず、自分はもっと高い次元の

人間だということをわかってもらいたい。だから、誰もが知っている上司、

特に評判がいい上司の批評(実態は批判)をして、自分はその人よりも優れている、

ということを言いたいのです。

 

優れているかどうかは自分が言うことではなく、周囲が決めることです。

自分は悪くない、周囲の目が間違っている、という意識からいかに早く脱却できるか。

自分のココロと向き合う姿勢が必要ですね。ただし、この屈折心は怖ろしい速さで

増幅してしまいます。誰かが早期に摘み取ってあげた方がいいですね。

屈折心が周囲に対する憎悪になってしまうと、手がつけられません。

 

4月は組織改編、人事異動などが多く行われる月です。そんなとき、この屈折心を

もちがちな人を予見して対話の機会をもつ。自分の周りにそういう人がいないかどうか、

見渡してみてください。屈折心やその発展形としての憎悪。こういう感情を抱く社員が

いない方がいいに決まっていますので。

 

 

おまけー1:4月は「飲み会」の季節です。ちょっと前ですが、NHKおはよう日本」の

おはBizで「飲み会の極意」について解説しました。なかなか面白く編集してくれています。

 

https://www3.nhk.or.jp/news/contents/ohabiz/2018_0320.html

 

おまけー2:花粉症なので朝のランニングを止めています。その代わりに隙間の時間を

見つけて泳ぐようにしています。しかし、平日の昼間のプール利用者の平均年齢は70歳くらい。

泳いだ以上に消耗するのは何かを吸い取られているのかもしれません・・・

 

おまけー3:地下鉄南北線の中で“私ではありません・・・、ちがいます・・・”と

寝言を言うサラリーマンあり。彼が置かれている状況が見えた気がします。

 

 

 

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