Vol.715「大声で唱和を強いる会社は嫌い」(メールマガジン「人事の目」より) 

会社の「唱和」が苦手です。特に、ただ大声をあげているようなやつが大嫌いです。
自分が社長や代表の会社ではやってきませんでしたし、今後もやらないでしょう。

先日、京都でOT(Organization theater)をやっていたときに同じフロアでこれに遭遇。
誰かが「Q%&Zだ!」と叫ぶのに対して50人くらいが「はいっ!」と大声で返事。
これが20分くらい繰り返されていました。軍隊系の規律正しい会社と思いきや、
とんでもない。休憩時間に廊下、休憩所で大声で話したり、笑ったり。とにかくひどい。
傍若無人とはこのこと。

チーム全員の意識を統一するために全員で気合を入れる儀式。こういうのは好きです。
ラグビーでニュージーランド選手が試合前に行うハカはいいですね。魂が一本化される
ような気合を感じます。また、日本の宴席の最後に手締めみたいなことをするのも
好きです。これは、主催者が、無事に会が終わったことを感謝して行う儀式ですね。

朝礼や全体会議のときに惰性で大声を出している集団を見るとガッカリします。
何も考えていないと思います。こういう習わしが日常的になっているような会社は
「組織の一員である以上、意見するな、調和を乱すな。」と社員を洗脳しているよ
うなものです。そんな会社で、社長や人事担当役員が「個を活かして」みたいな
話をしているのを聞くと、足元を見つめてから発言せい!と思います。

さらにこの手の集団パフォーマンスは“このパフォーマンスに参加している人=仲間”、
“そうでない人=敵”とう閉鎖的なムードを醸成します。先日、某社で私の講演の前に
いきなり受講者全員で手締めみたいなことが始まりビックリしました。
(講演止めて帰ろうかと思いました。)

個の尊重、当事者意識、ダイバーシティ、イノベーション。これらを推進したいので
あれば「唱和」や訳のわからない内部儀式は止めた方がいいと思います。
理念やミッションは大声で叫ぶものではありません。その意味するところを深く考え、
自分の行動を振り返り内省するものだと思います。また、外からの人がなじみやすい
文化を意識すべしだと思います。

思考を停止させ、決められた行動を繰り返すことを長年強いた上で「自分で考え
て動け」と言われても、もはや動けません。そういう人をリストラしたり、
行動改善計画を作らせたり、これは本当の意味で社員を大切にしているとは
言えないと思います。

量的、質的な人員不足の下、こうした会社は淘汰されるはずです。社員の行動を監視し、
洗脳し、監督してきた20世紀型経営は早晩なくなると思います。いわゆる管理監督者と
労働者という概念も変わるはずです。働く機会を創出し提供する経営者、テーマ・機能
ごとのマネジャー、実行者たるプロフェッショナルとその見習い、サポートスタッフ
という概念に整理されるだろうと思います。正業、副業という概念もなくなるでしょう。
(Indigoblueはすでにこのスタイルをとっています。)

そうなったときに備えて、サラリーマンであっても自分の進退は自分で決める。
どこにいっても仕事はできる、という気概と実力を身につけることが、現在50歳以下の
みなさんの生きる道だと思います。

おまけー1:日常はコントに満ちている。
「着払いでお願いします」とマンションの受付でお願いしたところ、
見慣れない初老の管理人から「誰あて?」。
「アマゾン」。「へ、誰?」「えっと、アマゾンです」
「・・・仮面ライダーの?」 (これにどう反応したらいいのか)

おまけー2:ソウルのWalker hillのカジノを数年ぶりにのぞいたら、中国人村と化していました。

おまけー3:「脱力タイムズ」 最近、お気に入りの番組です。
https://www.fujitv.co.jp/DNN/

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