Vol.770「キャリアは自分でつくるもの」(メールマガジン「人事の目」より)

“キャリアパスが見えない”。

よく聞く不満です。この会社で働き、5年後、10年後、自分はどうなるのか? 給料は上がるのか、
仕事はどうなるのか? 不安はわかります。ただ、その質問に自信をもって答えられる人は
誰もいないと思います。一人ひとりの社員の5年後、10年後の姿を経営者や人事が確約できる
わけがありません。

“キャリアパスが見えない”のは会社がキャリアパスを提示してくれないから・・・。違います。
キャリアパスは提示されるものではなく、自分で構築していくものです。次世代経営者や
キーポジション(事業推進や運営上、核となる仕事)は例外です。事業の継続・成長のために
会社側が育成計画をつくり、候補者をそのレールに乗せます。ただ、これも明示的にやることは
ありません。本人の預かり知らないところで行われるものです。

自分のキャリアは自分で設計するという意思を持っておかないとヤバいです。あちこち振り回されて
何の専門性を習熟させることなく時間だけ経過することになったり、同じ仕事に塩漬けになったり
します。これは若者だけの話ではありません。50代、60代であっても大丈夫。要はこれから
どうしていきたいか、これがベースとなります。その上で、そのために何をしたらよいかを考え、
実行していく。これこそがキャリアパスの構築そのものです。

私は28歳のときに「総合的に事業をマネジメントする立場になりたい」と思いました。きっかけは
当時勤めていた会社で組合の執行委員をしたことです。目の前の仕事しか見えていなかったのが、
一気に視野が広がりました。ゆくゆくは会社経営に関わる仕事をしたい。そう思いました。
そのために、いつかコンサルティング会社に転職しようと思いました。コンサルティング会社
であれば、若くても経営に携わる仕事ができるのではないかと思ったのです。

コンサルティング会社で経験を積んだ後に40代でどこかの会社でマネジメントする立場に
就きたいと思いました。ただし、知識としてでも経営なるものを知らないのでは話になりません。
コンサルティング会社にも入れません。MBAを習得しに行くことは当時の自分の環境から
難しかったので、中小企業診断士の資格取得の勉強を始めました。32歳のときに診断士の資格を
取得。33歳のときにコンサルティング会社に転職しました。

今から思うと「筋道が立った計画」なのですが、当時は「筋道」を意識していませんでした。
とにかく、自分で設定した、この“すごろく”の目の前のことに全力で臨む。これだけだったと
思います。もちろん、当時の仕事も全力でやりました。

その後、コンサルティン会社でも全力で仕事をしているうちに、そこで総合的にマネジメントする
立場(日本法人社長)になってしまいました。(これは予定外でした。)こう書くとスマート
なのですが、そんなことは全くありません。なにしろ、コンサルティング会社に入ったところ、
周りは自分より明らかに優秀な人たちばかり。案件というと知らないことばかり。とにかく
“必死にやる”の連続でした。

その後は雇われ経営者成修行を10年で3か所経験しようと考え、結果的には11年、3か所経験できました。
今は75歳を目途に新たな“すごろく”を構築中です。(内容はまだ秘密です。)

自分のキャリアは自分でつくるもの。 

“自分はどうなるのか?”、ではなく“どうしたいのか”、ですね。

おまけー1:人間ドックの「バリウム検査」。これは確実にコントになります。

検査技師:はい、発泡剤飲んでください。げっぷはしないでください。
大きく息を吸って、止めてー。はい吸ってー。

私:うぐぐー(なんで吸ってばっかり)げふー

検査技師:発泡剤もう一回お願いします

おまけー2:11月13日の日経産業のコラムです。
日経産業のコラム

 

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