Vol.776「時代にそぐわぬ人事制度(メルマガ編)前編」(メールマガジン「人事の目」より)

年明け2週過ぎました。もう完全に通常業務ですね。残りわずか50週。
今年こそ、やりたいことに時間を割きましょう。
前もって計画し、周囲の協力を得て、ぜひ!

さて、人事制度のお話しです。昨年8月に「時代にそぐわぬ人事制度」というタイトルで
日経産業新聞と日経オンラインにコラムを発表しました。思ったよりも反応があり、
これまでいくつも問い合わせを受けています。コラムの中で「基本プランについて
私案はある」と書いたことから、その私案を聞かせてほしいというものです。

ちなみに以下がそのコラムです。
>>コラム

何故、時代にそぐわなくなっているのか。前提が変わったからです。

自社の基準で社員を階層別に格付けし、その中で昇進・昇格させていくという人事制度
は以下が前提です。

・それが社員のスキルを高めたり、専門性を深めたりする上で最も有効であること
・社内の閉じた世界で仕事がほぼ完結していること
・社内の仕事が同じ業界の仕事であること
・会社に属していることが、すなわち身分を証明していること

これらの前提はだいぶ揺らいできています。幹部クラスの中途採用はずいぶん前から
当たり前でしたし、外部の専門家とのプロジェクトワークも普通です。買収や新規事業に
より、全く異なる領域の事業が一つの会社の中に存在していることも珍しくなくなっています。
フリーランスの社会的地位も向上しましたし、副業を解禁する動きも出てきています。

こうした中、人事の制度だけが塩漬け状態なのです。

私は従来の階層格付型の人事制度が全くダメであると言っているのではありません。
それが向く事業と向かない事業があると思うのです。

例えば、社内に、これまで誰もやったことがない領域にチャレンジしている集団がある
としたら、その集団は社内では社員のスキルを高めたり、専門性を深めることはできません。
社外、顧客とのやりとりを通じて高めていくしかありません。

上司と言われる人も部下と言われる人も経験値と言う点では同じです。仕事のやり方も
定まっていません。そこではリーダー的存在はいますが、そこに階層はないはずです。
仕事を進める上で内部の階層を経て判断なんてことをやっていてはタイミングを逃します。
そういう集団には階層格付型の人事制度は不適です。

また、こうした集団に“9時-5時”の働き方は向きません。必要なときには時間制限なしに
働くことが当然に求められますし、メンバーもそれを当たり前と思っています。
いわゆる残業規制はこの事業の成長の足かせにすらなります。

既存事業を守っていく集団向けであれば、階層格付型人事制度は適しているかもしれません。
それで全社員・全組織をカバーするのではなく、新たな価値創造を担う集団向けには、
全く異なる「(仮称)プロフェッショナル型人事制度」を併存させていくのが良いと思うのです。
つまり1社2制度です。(以下、次号に続く)


おまけー1:1月6日にIndigoblueの新年会を東京アメリカンクラブのボーリング場でやりまし。
やはり、ボーリングは昭和30年代前半生まれの人がうまいですね。ペアでやるのもおもしろい。
私はボーリングをやったことがないという北欧の女性とのペア。結果は推して知るべし。

おまけー2:この1週間、天候とスケジュールに恵まれ、毎朝ジョギングできました。
どうみても“ダチョウの求愛ダンス”としか思えない体操をしているおじさんに毎日違う時間に遭遇。
もしかして1時間くらいずっとダチョウダンスをしているのか。

おまけー3:本郷猛、一文字隼人の仮面ライダーを年末にまとめて観る機会がありました。
ネットで調べて、なぜ一文字隼人は突然登場し、突然南米に去ったのかようやく理解。
大人の事情があったのですね。

 

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