Vol.778「組織的な後継者育成」(メールマガジン「人事の目」より)

今やっている仕事の後継者候補はいますか?

明確に「いる!」と答えられる人の方が少ないでしょうね。ただし、部長職以上の方で
「いない!」というのは“やばい”です。後継者育成は個人の課題ではありません。
組織全体の課題です。そのポジションが会社のパフォーマンスを左右するキーポジションで
あればなおのこと。会社として、そのポジションを担える人材のパイプラインをつくって
おかねばなりません。

現職者が異動・退職。後継者育成がなされない中で、誰かがその役割を担った場合、
前職者が在任中に得た「組織知」「経験値」がゼロリセットされてしまいます。
こうしたことは数日の引継ぎ行為で伝承できるようなものではありません。
組織の成長観点から重大な損失です。

そうはいっても、後継者を自分が選べるわけではない・・・。多くの場合、そうでしょう。
ただし、決定権者に意見することはできますよね。大きな方針変更がない限り
(あなたの評価が高ければ)その意見を無視することはありませんよ。

現実的にはこんな感じかもしれません。日々の仕事で忙しい。後継者のことを考えるよりも、
まずは目の前の数字を追うことで責任を果たしたい。その気持ちはわかります。しかしながら
、後継者の育成は「責任」の一つです。担い手が変わっても、組織としてはパフォーマンスを
維持向上させたいのは当然です。誰かの在職中だけ良ければ良いということははありえません。

本音ベースでこういう意見もあります。後継者を育てることは、ある意味で自分の
存在意義が失われること。その必要性を頭ではわかっていても、自分を失職させるための
働きかけはしにくい・・・。

ちがいます。こういう意識を持ちましょう。後継者の育成は“自分のため”である、と。
自分が先に進むために、後継者が必要なのです。社内外での新たな挑戦のために、
いまやっていることから卒業するのです。自分の意思でやるから卒業。そうでないと
退学になってしまいます。自分の人生です。主導権をもちましょう。後継者の育成は
円満に卒業するための単位なのです。

自分のキャリアは自分でつくるべきもの。そのために、次に何をするか。何をするのが
自分にとって、組織にとって最適な選択か。これを考えましょう。社内で直接上の仕事を狙う、
そのために別の経験を積むことを選択する、社外の道を選ぶ・・・、
いろいろな選択肢があります。

執行役員クラスのみなさんであれば、全員でお互いの後継者が誰であるかを明らかにして、
その適格性や課題についてオープンに議論することをお薦めします。後継者というと、
どうしても自分の部門の中から、と考えがちですが、その母集団を社内全体に、
場合によっては社外も含めて考えるとよりベターな選択ができます。

その上で、どのような経験をしてもらうのがよいのか。これを全員で議論、確認し、
その実現のために全員が協力するようにします。これが健全な「組織的後継者育成」です。


おまけー1:そうは言っても後継者育成は難しいです。自分の過去を振り返ってみると、2勝3敗です。

おまけ―2:”もうちょっとで大吉がでるから、あと少し粘る”
このセリフ、パチンコだ・・・。

おまけー3:新入社員研修のプログラムづくりで頭を悩ませているご担当者さま。
こういうのもあります。“記憶に残るチームビルディング”になります。
https://indigoblue.co.jp/team_video/

 

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