Vol.784「定年? まだまだ。」(メールマガジン「人事の目」より)

58歳になりました。

多くの企業の定年が60歳。58歳というとカウントダウンです。といっても、私の場合、
何かが大きく変わるわけではありません。Life as usualです。

そもそも「定年」という概念は人口増大期の遺物です。若い人がどんどん入社して
くるので、高齢者は後進に道を譲る必要がありました。いわばエスカレーターです。
エスカレーターの降り口を考えるに、誰であっても平等となると年齢規準しかありません。
「定年」には一応の納得感がありました。

今や人口減少期。「定年」なる概念が合っていないと思います。

「定年」なるものを調べてみました。宮地克典さんという学者が大阪市立大学経済学
雑誌115巻3号でまとめておられる内容が興味深いです。

“わが国における「定年制」の起源は,1887年の海軍火薬製造所の職工規則第 25条
(「職工ハ年齢満五五年ヲ停年トシ,此期ニ至ル者ハ服役ヲ解ク」)である。この年齢が
「企業から退職する年齢」であると。当時の停年に関して「老衰職ニ堪エスト認メタル者」
と「年齢五十歳ニ達シタル者」を並記しているころから、停年とは「労働市場から引退し
職業生活に終止符を打つ年齢」であったと書いています。

定年年齢に達したら、職業生活に終止符を打ち、余生を過ごす。
これが一般的であったようです。

今や違いますね。定年年齢に達しても“老衰で仕事に耐えられない”ことは
全くありません。みなさんすこぶる元気。まだまだ働けます。

いまは過渡期なので、気力、体力ともに衰えていないにも関わらず、労働市場から
退席することになってしまう50代、60代の人がたくさんいます。もったいないです。
60歳で退職したとして、社会人になるまでが20年強、社会人として約40年。
平均余命からしてあと20年。この20年をどう過ごすか。

人は誰かのためになっているという実感があってこそ、毎日に張りが出ます。
そういう20年を過ごしたいですよね。ただし、誰かのためになる存在であり続けるためには、
学び続けることが必要です。

今こそ社会人大学の出番だと思います。しかしながら、ネットで社会人大学をいろいろ
調べてみましたが、どれもピンときませんでした。若い世代向けのカリキュラムを
世代関係なく学べます、という感じがします。内容もアカデミックです。
(それはそれでとても価値あるものと思います。私も時間があれば通いたいものもありました。)

ただ、私がイメージしている50,60代向けの学び直しの場は少々違います。
誰かのためになるための「仕事力」の鍛え直しと「人間力」の整え直しの場です。

具体的にはポータブルスキルの訓練、これまで経験してきたことの抽象化、自分自身を
客観的に見直すメタ認知の機会、コーチング力の強化です。これらを3か月から6か月でやる
イメージです。

これを実現するためのスポンサー、リアルな場の提供と運営事務を担う大学がいらっしゃい
ましたら、ぜひ企画したいと思っています。


おまけー1:しかし、何よりも大事なのは健康。知人が開設した「生活習慣病予防のジム 
SANT‘ LAB」で指の毛細血管の状態を見てショック。その場でリアルに見れます。
・・・もっと水を飲まないと。

健康改善の学び直しの重要なテーマです。ちなみに、SANTE’ LABのURLはこちら。
(柴田から紹介されたと言っていただけるとスムーズではないかと。)
出張サービスもありとのこと。

http://hinotori.co.jp/service/

おまけー2:毎年、誕生日には親と「過ごす」、または「電話をかける」ようにしています。
親あっての自分ですから。

 

 

※本記事はメルマガ「人事の目」で配信されています。
メルマガ登録(無料)はこちら

No tags for this post.

関連記事


TOP
TOP