Vol.273 これからはインソーシング

派遣社員の見直しが進んでいます。
その最大の理由は、みなさんご存知の通り、”経費削減”です。

経費削減といえば、どこの企業でもまず着目するのが3K+Hです。
3K+Hとは、交通費、交際費、教育訓練費と派遣。派遣社員については、
経費削減のために、これまで派遣社員にお願いしていた仕事も自分たちでやろう、
ということに他なりません。

そもそも論として、派遣社員「「数」の見直しについては私も賛成です。
が、その理由が違います。経費削減ということだけであれば、”仕事をしていない”
高給正社員に手をつけた方がずっといいと思います。

私自身の経験からしても、派遣社員の中には超優秀な方がいます。
紹介予定派遣が制度化する前から、お願いして正社員になってもらったヒトもいました。
“派遣”だから、ということだけでリリースしようとするのは間違いだと思います。

私が派遣社員数の見直しに賛成している理由は、気軽にアウトソースすることへの
違和感です。確かに、10年ほど前から自社でやるべき仕事以外は
極力アウトソースしようという風潮がありました。
アウトソースした方がコストダウンになるし、コア業務に自社のリソースを集約できるから、
というのがその考え方のベースになっています。

理論的には間違っていないと思いますが、本当にそうなりましたかね? 

かつて言われていたような劇的なコストダウンが実現したり、コア業務が明らかに
強くなったりしましたかね?

アウトソーシング会社によると劇的なコストダウンにつながった事例を
紹介してもらえそうですが、現場感的には「?」です。
例えば、間接業務の人間がゼロに近くなりましたかね?

FTE(Full time equivalent:実質的に一人分の仕事)という考えでみてみると、
全然減っていない、むしろ増えていたりしませんかね。)

アウトソーシングを量的に拡大させられるのは、そもそも同じ仕事を
繰り返し行なっているということが前提だと思います。
コンプライアンスや内部統制強化の要請、法令や制度変更、そして個人情報保護と、
要求水準がどんどん高度化。
かつて考えていたような”単純定型”業務そのものが間接の現場から激減。
結果として正社員が対応しなくてはならない仕事が増加。
一方で従前からいる派遣社員の数は減らず、FTEでは増えてしまっている。
これが実態ではないでしょうか。

いわゆる”単純定型”業務については、アウトソースするのではなく、インソース、
つまり、社内で手の空いているヒトが手伝うことにしてはどうでしょうかね。
部長だからとか、専門職だからではなく、手が空いているのであれば手伝う。
それでいいんじゃないでしょうかね。

もし、全社員が10人だったら、当たり前のようにこれをやっているはずです。

しかし、組織の規模が大きくなると、だんだんと”それは私の仕事ではありません”
という見えない壁が生まれます。助け合うこと、声を掛け合うことへの躊躇から、
ちょっとしたボリュームの仕事が発生したときには、アウトソースして
お金が会社の外に出て行ったり、無理に現有部隊だけでやったりして、
現有部隊が疲弊したり・・・、こんなことが起きていませんかね。

15年ほど前にホテルで働いていたときに、間接部門の人間が定例の宴会サービスや
クローク業務を手伝うという仕組みを考案しました。
通称、FHP。Flexible Human Resource Program。(超造語です。汗)

間接部門の人間が”予定して現場の仕事を手伝う”というものです。まさに社内派遣。
インソーシングです。これにより、配膳会からの派遣スタッフの数を減らしました。

仕事に給料が張り付いているという考え方が徹底していると、このFHPはできません。
私も時給の高い人間は別のことをやるべし、と思っていたときもありましたが
すぐに撤回。時給の高い人間が現場の仕事に定期的に触れることは、
その人の本来の仕事のためにもいい。
より、顧客に近い視点を持つことができるわけですから。

最近では、前述のとおり世の中の要請から間接部門の負担が
大きくなってきていますので、15年前のように単純に間接部門からインソース
というわけにはいきません。
であれば、社内にインソース専門の組織を創ってしまえばいいのです。
言わば社内派遣組織です。

全ての組織を最低限の人数にして、膨らむ時期には”インソーシング”部隊が
サポートするようにします。そういう仕組みをつくってしまうのはどうでしょう。
インソーシング部隊は社内のあちこちに出掛けていますから、ネットワークも有している。
経費削減以上の付加価値があることは間違いありません。

インソーシング業務は時間単位でコスト計算します。よって、ここで働く人は時間ベース。
新卒、中途、それから介護や育児などで仕事量を一時的にセーブ
しなければならないヒトがそのメンバーになります。研修的な意味合いから、
入社して5年目とか10年目に、インソース部隊で 3ヶ月働くというのもいいでしょう。
これにより、導入研修、ワークライフバランスへの対応にもなります。いい事ずくめです。
ということで、今日のテーマは”これからはインソーシング!”でした。

おまけー1:
最近”出前”が高度化したのをご存知ですか。
自分の家の近くで、どこが何の出前を何分以内にしてくれるかがわかり、しかも、
ネットで注文するだけ。確認メールもちゃんと来ます。出前というとピザと寿司だけ、
ではないですねー。結構楽しいです。お試しあれ。 http://demae-can.com/

おまけー2:
ファンキーモンキーベイビーズ、クローズ。これらを見ていると若者のハングリーさと
エネルギーの爆発は変わらずあるなーと思います。
マスマーケットに占める量が減っているだけ。
ここにマーケティングのヒントがあると思います。
http://www.funkymonkeybabys.com/index.html http://www.cz2.jp/index.html

おまけー3:
最近、立て続けに知人が夢の中で”焼きいも”を売っています。
CCC人事のKさん、キャドセンターのHさん、中学時代の同級生のNさん。
しかも、あんまり売れていない・・・何かの予兆か?

 

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