台風18号が本州を縦断したその日、
私は熊本への日帰り出張が入っておりました。
熊本に日帰り出張? しかも、台風の日に?
という感じですが、それだけではありません。
この日は、びっくりすることの連続でした。
最初だけ顔を出すことにしていたので、早朝に会場の渋谷に向かおうとしたところ、
台風の影響ですごい大雨と大風。
当然、タクシーつかまらないよなーと思い、”タクシー”と強く念じたところ、
目の前で(しかも何もないところ!)でタクシーが止まり、
乗客が降りてきました。(うほほっ、奇跡的!)とこのタクシーに乗り込み渋谷へ。
その後、渋谷から羽田空港へ向かう途中でまたしても奇跡。
首都高速羽田線に入り、「東京湾、さすがに今日は水かさ多いですねー」
などと気楽に世間話をしていたところ、しゅるるるるーーーという音と共に車が停止。
「あらま、エンジンかからなくなっちゃった!」とベテランドライバーのTさん。
なんと首都高上で立ち往生。
目の前には「平和島まであと800メートル」の看板が。
うむむ、どうしたものか。
たまたま携帯電話に番号があったKMタクシーを呼ぼうと電話するも、
さすがに台風日。全く電話に出ません・・・ (タクシー!)
と、そのとき、なんとタクシーの空車が!!
鬼気迫る勢いで手を挙げて止め、羽田空港へ。
首都高上で空車のタクシーに遭遇するとは。
しかも、このタクシーが KMというのも出来すぎ。
台風の影響があるも、熊本行きは定刻の出発。(これも奇跡。)
その後、滑走路上で、横風の影響で1時間40分ほど立ち往生しましたが、
なんとか予定とおり、日帰り出張を済ますことができました。
人生は、かように不思議なことが多いものです。
思い起こしてみると、学生時代も「この人とつきあいたいなぁ・・・」
と想っていたところ、それが実現。
かっこいいなぁと思っていた先輩のキャリアをなぞるべく、
駿台予備校から上智大学というのがええなあと思ったところ、それが実現。
駿台予備校には高校から推薦入学する、というおまけつき。
その後も、こうなるといいなぁと念じたことが、わりと実現してきています。
ありがたいことです。
じゃあ、そのために綿密なプランを立てて、しゃにむにやってきたか、
というとそうでもありません。
想いは持ち続けていましたが、無理はしていません。
想いはある意味で、こうありたい、というビジョンです。
ビジョンを戦略目標にして、そのための実行計画をたてて、
そうなるとタイムフレームと責任分担を明らかにし、
かつマイルストーンのメジャメント(途中での定量的な確認ポイント)
を明らかにして・・・と組織マネジメント上ではしっかり進める方ですが、
こと自分のこととなると、そうでもありません。
たぶん、自分のことをそのやり方で進めてしまうと、
エゴが前面に出てしまうよう気がするからでしょう。
何かを実現しようとすると、必ずその影響を受けるヒト達がいます。
そのことをわかっていて、強引に進めていくと、どこかで破綻するような気がします。
他の人も、おもしろくないけど、まぁ、いいか、と思うくらいには腹落ちしていないと、
いけないのではないかと思ってしまいます。
なんと言っても、”私事”なので。
これ、昔から自分より周囲と考える癖がついているからかもしれません。
しかし、そうであっても、想いは持ち続けます。
だから、最終的には多くのケースで実現する。
一番大事なことは”想い”を持ち続けることではないかと。
先日、NHKのクローズアップ現代で「助けを求めない30代」(タイトル違ったかも)
という問題提起がありました。
ホームレスや餓死するほどの貧困であっても、
助けを求めない若者が増えているという悲しい話です。
人間としての自尊心とプライドが「助け」を求めることを
躊躇させているのだと思いますが、なんとも痛ましい。
こういう若者の”想い”にさりげなく手を差し伸べる社会に
しなくてはいけないと思います。
それ無しに”想いを持ち続けよ”というのも現実的ではありません。
この”想い”は未来に対する希望であるとも言えます。
この、希望を持ち続ける力が、その静かで強い念が、
最終的には希望をかなえます。
しかし、
“この国には何でもある。本当にいろいろなものがあります。
だが、希望だけがない”
(希望の国のエクソダス:村上龍著 http://www.tsutaya.co.jp/works/40037650.html )
これが現実だとすると、この状態をなんとかしないといけませんね。
まさに生活する人々に希望を与えるものでした。
日本の政治家のみなさんにも、そういう目線で語ってもらいたいですね。
官僚がどうのではなく。
おまけ:
“熊本で流行っているけど、東京では知られていないことはない?”
これ、地方出張すると必ず支店の連中に聞きます。
そこに生活習慣があり、地元で最適な販促なイメージを描くことができるからです。
“馬刺しです。” (それは名産品だ・・・)と思いつつも、
せっかくだからと帰りの空港のレストランで”馬肉定食”を注文してみました。
オススメとあったので、”おばちゃん、この馬ってどういう馬? 普通の馬?”
“・・・わからんなぁ” ”じゃ、写真とかない?”
“・・・ないなあ” ”・・・”
“950円だけど”
想いがない馬肉定食。やっぱりの味。