Vol.347 健全なる野心

「健全なる野心」、いい言葉だと思いませんか?

「野心」というと、なんだかギラギラした感じで、ヒトを蹴落として出世する・・・
そんなイメージがありますが、ここに「健全なる」という修飾語がつくと
一気にいい感じになります。

このメルマガでも何度か書きましたが、5月から大学生向けの塾(MIRAIBA)を
本格的に稼働させます。ここで大学生たちの「健全なる野心」を醸成したいと思っています。

そもそも大学生向けの塾をやろうと思ったのは、このままではマズイという危機感からです。

今の大学生たちを見ると、その多くが”就活”に振り回され、将来に対して不安げな顔を
しています。この若い世代を元気にしたい、自信をもって社会に出てほしい。そう願っています。

未来を創る若い世代に元気がない国や企業は”売り”です。ここをなんとかしたい。
それが現役世代である我々の役割の一つではないか、と思ったわけです。

これまでも、いろいろな場面で若い世代を元気にする施策を提言する機会がありましたが、
もう提言とかではなく、自分ができる範囲で”実行していこう”と思ったわけです。

2004年に欧米の多国籍企業と日本企業のCEOの年齢を比たことがあります。
欧米企業が45歳から54歳というゾーンにほとんどのCEOがプロットされるのに対して、
日本企業は55歳から64歳がそのボリュームゾーン。10年の差がありました。

知力、気力、体力ともに充実する年代が組織のトップ層を担い、その経験者たちが
社外取締役やアドバイザーとして見守る。この構成は理想的だと思います。
特に、大きく変えていくことが求められている局面では、トップリーダーには
一度や二度の失敗を厭わない若さが必要だと思ったわけです。

経営者が高齢だと、失敗したときに自分の責任でその挽回ができないとわかっているので、
無意識のうちに”変えないリスク”をとりがちです。しかし、”変えないリスク”よりも
“変えるリスク”を採らねばならないときがあります。

日本という国、そして、多くの日本企業がそういう状況にあるのではないか。
このままでいくと、ずるずると地盤沈下してしまうのではないか・・・。
この危機感から、数年前から40代のCEO育成プログラムを提唱していました。

しかし、現実的には、それだと間に合わないかもしれません。
なにしろ、若い世代がどんどん減っていくわけです。もっと若い世代から、
意図的にリーダーシップ育成をやっていかないと、その母集団が絶対的に不足します。
この危機感も、大学生向けの塾を開講する理由の一つでした。

「健全なる野心」はウオーミングアップにも似ています。社会で全力疾走する前に
きちんと準備運動するようなものです。そこから、自分を成長させたい。
より、大きなステージで仕事をしたい、といういわば自然な欲求を覚醒させたいと思っています。

しかし、先ばかり見て、自分の目の前の仕事ややるべきことをおろそかにしていると
拓かれる道も閉ざされます。それを応援してやろう、という仲間も現れません。
このこともきちんと理解させたいと思っています。

私はホテルマンが社会人のスタートです。そのことを誇りに思っていまし、
そこで学んだことはたくさんあると自負しています。が、そのホテルマン時代に
「健全なる野心」らしき思いを抱いていたことを思い出します。

早朝に西武新宿駅から職場であるホテルまでの道すがら、はたまた、高層階の宴会場で
ウエイターとして食べ終えた料理のお皿やグラスを下げながら、「いつか、利用する側になる」
と思っていました。そのときに、じゃあ、どうやって、という具体的なプランがあったわけ
ではありません。しかし、その思いだけは確実にありました。
メラメラとではありませんが、ロウソクの火のようなものは点火していました。

さて、この大学生向けの塾(MIRAIBA)のオリエンテーションを3月下旬にやります。
ちょっと普通ではない内容にする予定です。

真の実力は座学(教室での勉強)だけではつきません。
そこに実学(自分で体験して学ぶ)が附帯してこそ、使える実力が身につきます。
このために、多分、日本初のOrganization theaterなる手法を活用します。
最近の「柴田塾」に参加された方であれば”ああ、あれね。”と
わかってもらえるプログラムです。

このOrganization theaterを”ちらり”と体感いただくオリエンテーションを企画中です。
この模様はまたメルマガの中で報告しますね。

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おまけー1:第二回柴田塾が3月3日~5日で開講しました。今回も若い世代から50代まで、
海外からの大学院留学生を交え、熱い三日間になりました。

おまけー2:実は3月5日は私の49歳の誕生日。塾終了後、Indigo BlueやMIRAIBAの
スタッフのみなさんからサプライズのお祝いをしていただきました。
同時にクライアント先からもサプライズの映像が届きました。嬉しい!。

おまけー3:お祝いコメントの中に「柴田さんってダンディー」というほめ言葉が。
これに「ゲッツ!」と返したら、”どんびき”。真のダンディーは「ゲッツ!」ではないらしい。

 

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