金曜日に「体験型ケーススタディ」の英語版を企画してみました。
「体験型ケーススタディ」は有事の疑似体験を通じて、総合的な実践力を
鍛える「場」です。その「場」を通じて、”頭ではわかっていたが、やってみると
思ったように動けないものだ・・・”という気づきを得てもらう「場」でもあります。
自分のペースで進めることが出来ず、かつ予想もしない展開に発展する・・・
これがビジネスの現実です。これにどう対応するか。「教室」や「本」では
なかなか学べません。どれだけ修羅場をこなしてきたかが問われるのはそのせいです。
しかし、修羅場にどれだけ遭遇するかは偶発的です。それを意図的に
トレーニングにしよう、というのが「体験型ケーススタディ」です。
これまで「企業合併」「海外での製品クレーム」「自社製品による死傷事故」
「契約反故による倒産危機」などの有事対応を日本語(一部に英語あり)
でやってきましたが、この金曜日に企画したのは、とある課題について
対応すべき相手が全て「外人」
というものです。
外人上司、複数の部下、行政関係者等など、面談あり、電話あり、メールあり。
まあ、その環境に身を置けば当たり前の環境です。それを疑似的に設えました。
ちなみに、この設定は私自身の経験によります。
グローバルな環境で働くことになると、言うことを聞かない外人、何を言っているのか
わからない外人(英語が、ではなく論理が。中には英語がのヒトもいますが。)、
ヒトの話を全く聞かない外人、超感情的な外人など、コントロールが難しい外人が
たくさん現れます。(ここの「外人」はもちろん全て「日本人」に置き換えられます。
リアルなビジネスの現場はそういうものです。)
現実に対峙する「外人」は、学校の「外人講師」とは全然違う”人種”です。
「外人講師」の多くは知的でかつ感情が安定しており、理想的な人格の「外人」です。
こういう素晴らしいヒトにはまずお目にかかりません。
グローバルな環境でマネジメントをするということは、理想的ではない(つまり、普通の)
外人たちで、しかも異なる意思をもっている(これも普通の)外人が一同に集まる中で、
リーダーとして振る舞わないといけないということです。これは結構シンドイです。
こればかりは体験して自ら乗り越える、或いは自分を適応させていくしかありません。
しかし、だからといって、”行ってから頑張ってね”はあまりにリスキー。
だから、グローバルな環境で働く可能性のある人に事前に体験しておいてもらいたいと思い、
企画しました。
参加してくれたのは某外資系企業で日常的に英語を使っているというマネジャーたちです。
が、正直に申し上げて、ボロボロでした・・・。
“英語を学んでいる相手”に対する外人の話し方と、自分の主張を通したい外人の話し方は
違います。勢いも違います。その勢いに押されて、午前10時の段階で戦略的な思考が
完全に飛びました。そうなると、”火事場”対応に明け暮れ、なかなか議論の筋が通りません。
“子供のサッカー”状態です。飛んでくるボールに全員で取り組み、
全体像が見えなくなりました。
最後のプレゼンテーションは3名の異なる利害を持つ「外人」を前にプレゼン。
そもそも「外人」はプレゼンを黙って聞きませんので、次々に質問、コメントが
飛んできました。しかも、異なる利害の持ち主たちなので「外人」間でも言い合いが発生
(これは仕込みですが)。結果的にプレゼンは”Disaster”。これはある意味で当然の帰結。
ケースはここでおしまいとしました。
終わった後のフィードバックセッションは盛り上がりました。それでいいんです。
今日は”できなかった・・・”という気づきでいいのです。なんといっても、
力を伸ばす最大のエンジンは”これではいけない!”という気づきですから。
体験型ケーススタディはそのためのきっかけです。
「体験型ケーススタディの英語版」の効果は確認できました。
更なるパワーアップの余地も見えました。が、この研修、運営側の負荷が大きいので
次回の開催は今のところ未定です。が、やってほしいという方が6名以上集まりましたら、
開催を検討します。
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おまけー1:事務局で一日中英語のシャワーを浴びたF原さんが
「疲れたので東京タワーに昇る」とFacebookに書置き。
いいのです。英語のシャワーを浴びて、脳がフリーズしたような感覚を重ねましょう。
あるとき、パカっと脳が割れる感覚がきます。「英語脳」の出来上がりです!
もう少しだ!
おまけー2:地下鉄の某駅で下車。見ると、前から大きな荷物を持って
猛ダッシュしてくる妙齢の女性。おおっと思い、最後部車両のドアを手で押さえたところ、
なんとかセーフ。
ところが、ダッシュで入ってきた女性の大荷物に推されて僕まで中に。
次の瞬間、ドアがプシューっと。せっかく降りたのに。まあいいか。
おまけー3:「すいませーん。めかぶはどこですか?」 とあるスーパーで聞いたところ、
「メカブ?」と出てきたのは、どう見てもパキスタン系の男性。 無理。