昨日、「第二回2020年人材育成責任者の会」がスタートしました。
この会は、“2020年までに世の中にどのようなことが起きているかを予測し、それが
企業や団体の組織・人事マネジメントにどのような影響が及ぼすか、今から何をして
おくべきかを検討する場です。今回も大企業、外資系、中堅と多様な顔ぶれが集まりました。
将来予測なので、頭の体操です。
将来どうなるかを考え、あらかじめ打ち手を検討する。事業について、この手の議論は
よくされますが、なぜかヒトに関しては“なおざり”のことが多い。しかし、ヒトに
関することは移行から定着・実行までに時間を要します。先に先に検討しておくに
越したことはありません。
会の冒頭に私から問題提起として以下の12のシナリオを提示しました。
1 遺伝子情報サービスが一般化している
2 マイナンバー法の運用が定着している
3 大学進学率が停滞。学歴価値が更に低下している
4 中国経済のバブルが崩壊。東南アジア市場が急成長している
6 女性管理職比率30%が義務化している
7 法定福利費が25%に達している
8 ホワイトカラーエグゼンプションが採用されている
9 公的年金の支給開始年齢が70歳になっている
10 多くの企業で社内の外国人社員比率が10%を超えている
11 一般的に社員の兼業が解禁されている
12 開業率が10%に達している
現在、政府が指向している方策がいずれも進展し、かつ人口動態や社会の動静から起こり
うることを想定シナリオとして挙げました。
「ロボットの社会インフラ化」については敢えて入れませんでした。「2025年」とすると
確実に入れた方がいいと思いますが、映画「アイ・ロボット」のような世界になるまでには
技術的な課題のみならず、倫理面での議論に時間を要すると思っていますので。
また、「中高年フリーターが増えている」も敢えていれませんでした。現在、多くの
大企業で採られているリストラ施策、年金状況から“起こりやすい”シナリオなのですが、
これは2020年というよりも、ある意味で喫緊課題なので、この研究会の議論の外に置きました。
さて、研究会では、それぞれのシナリオについて、その内容を確認し、その後、インプリケーション
(どのような影響がもたらされるか)を議論し、この12のシナリオを「影響度の大きさ」
「実現可能性の高さ」の2軸で評価し、マッピングしてもらいました。
ちなみに参加者が選んだ「実現可能性が高く、影響度が大きい」シナリオのトップ3は、
「女性管理職比率30%義務化」
「公的年金の支給開始年齢が70歳になっている」
「社員の兼業が解禁されている」でした。
(女性自身がそれを望んでいるわけではない中、30%という数字が独り歩きして義務化されると
その数値を達成するハードルが高い(人事としては大変)でした。これが女性参加者からの意見
として集約されたのが興味深い結果でした。)
今後、このシナリオに向かうとしたら、今の人事マネジメントの何をどう変えるべきか、
これが議論のテーマとなります。
議論の中身や結果は11月中旬までに報告書を作成することになっていますので、
Indigo BlueのWebサイトからご覧いただけるようにします。
この「未来を予測し、先手を打つ」議論ですが、ぜひ、みなさんの会社・団体でも実施される
ことをお勧めします。特に大企業で人事部員の数が多いところでは、1日くらい全員でこの
議論をされることをお勧めします。人事メンバーの勉強にもなりますし、かつチーム
ビルディングにもなります。
今回の参加者の40%が女性。議論の様子をみているとリードしているのは女性。
そういうことなのです。女性の活用は議論するよりも、“場”を用意すれば水が流れるがごとく
進むと思います。
おまけー1:先週は月、木、金、土と「セミナーハウスフォーリッジ」に。さすがに行き過ぎ。
おまけー2:研究会のランチタイム、“おもろい店はない?”という話に「店内に蛇口があって、
そこから焼酎が飲み放題の店があるので行きましょう!と。確かにおもろそう。但し、その人が
過去に飲み屋から救急車に3回乗っているらしいので、保護者付でいくことに。