シンクロナイズドスイミングの日本チームがワールドカップ(於:ケベック)で第二位に
なりました。久しぶりの表彰台。牽引したのは日本チームに戻ってきた井村コーチです。
さすがですね。
10月8日の「報道ステーション」で井村コーチの特集をしていました。井村コーチが
就任して最初に選手に要求したことは「毎回の練習で自分を厳しく追い詰める」、
「常に無理をして120%出そうと練習して欲しい」。選手たちは涙を流しながらも
筋力トレーニングや関節を柔らかくする運動に取り組んでいました。
120%やる。無理をする。泣く。
昔ながらのスポ根の風景か。違います。井村コーチの選手への接し方を見るに、
それとは違うと思いました。怒鳴り散らしたり、殴ったりしての指導ではありません。
恐怖で選手を動かしているわけではありません。選手たちは泣くほど辛いのですが、
自分で自分の気持ちを奮い立ててチャレンジしているように見えました。
若い選手が自分で限界線を設定し、その範囲でやっているうちは一流にはなれません。
井村コーチの指導により、自分を乗り越えようと必死になり、それが選手たちの
ポテンシャルを開花させ、ワールドカップ第二位という結果に結びついたのでしょう。
これはビジネスの世界でも同じです。必死になる機会が人を成長させます。そういう指導、
環境設定が若い人たちを伸ばします。
ところが、なかなかこれができていません。むしろ、若い人たちから“必死さ”がなく
なってきました。特に若くて優秀と言われている人たちにその傾向が強いように思います。
自分をさらけ出し、身体ごとぶつかっていく熱量。これが欠けています。自らのComfort
zone(自分が快適と思える範囲)に留まっている人が多いように思います。
こうなってしまっているのは、私たち中高年世代の関わり方に問題があります。自分たちが
味わった苦労を味わせたくないという思いから、環境を整え過ぎたり、手助けし過ぎたり。
社会全体で若い世代をスポイルしてきたことが、若い人たちから全力でやる機会を奪って
きているように思います。
世の中の風潮もよくありません。厳しい接し方をするとすぐに「パワハラ」と騒ぐ輩がいます。
昔の軍隊調の仕事のさせ方はよくありません。これは反対。但し、少し厳しい物言いをする
だけでパワハラと言われる風潮はもっとよくないと思います。必死に仕事をする環境づくりの
ためであれば、厳しい物言いはありだと思います。
私が体験型ケーススタディ(Organization Theater:OT)をやっているのは、受講生たちに
“必死にやらないと対応できない”修羅場を経験してほしいからです。
プレッシャーを与える研修としてインバスケットという方式があります。しかし、そこでは
「心のもちよう」が問われ、「感情」が揺さぶられることはありません。リアルの世界を
支配しているのは「心」であり「感情」です。作業量の量的負荷、質的負荷に加え、感情面
でのプレッシャーを与え、その中で必死に取り組んでもらう。これが狙いです。
但し、優秀と言われる若手、特に安定大企業に勤める若手のComfort Zoneの壁は厚いですね。
若くして(30代前半で)“これでいい”という変な型をつくってしまっているように思います。
重症です。同世代でも、ベンチャー、危機的な会社、外資系にいる人の方が壁を乗り越える
アドレナリンが出やすいように思います。ここをなんとかしたいという思いです。
OT後にこういうフィードバックをすることが多くなってきました。
“地頭はいい。仕事もできる。ただし、全て小手先で対応してきたことのツケがきている。
このままだと成長がぱたっと止まってしまう。全力で仕事する筋肉が弱くなっている”
「次世代リーダー 育成」や「次世代リーダー 修羅場」で検索するとOTが上位に出る
ようになってきました。もっともっと普及させたいと思っています。
おまけー1:喉の粘膜がやられ、リンパが腫れたことで発熱。早期回復のために近くの医者へ。
待ち時間の割に診察時間はわずか10秒。症状を説明したところ、“はい、喉見せて”、
“リンパ、あ、腫れてますね。薬出します。(終わり)
おまけー2:親族の家に「SBIモーゲージ」を名乗る会社から手紙で「住宅ローンで引き落としが
できませんでした」という通知が。銀行口座からは普通に引き落としされているのに。新たな詐欺か。
おまけー3:夜にTVを消して耳を澄ますといろいろな音が。なぜか、猿の鳴き声が聞こえるような。
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