Vol.554 その場しのぎ

おはようございます。GWもこの週末で終わりですね。

 

GW中に自宅のDVD棚から「Bad news, Good timing」(作・演出 三谷幸喜 

2001年パルコ劇場)を引っ張り出してきて観ました。三谷さんのお芝居の中では

一番好きな作品です。

 

http://www.parco-play.com/web/play/bad_good/

 

<あらすじ>(作品解説から)

岩田哲郎と倉田ちとせの結婚式当日。幸せの絶頂に見える二人ですが、彼らには一つだけ

大きな問題が… 哲郎の父とちとせの父は、かつて「エントツ・とんかつ」の名前で一世を

風靡した漫才師。十年前に喧嘩別れしてコンビを解消、今もって絶縁状態にあったのです。

一触即発状態の親たちを前に、二人は無事、結婚式を挙げられるのでしょうか…?!

 

出演は新郎が生瀬勝久さん、新婦が沢口靖子さん、新郎の父親の漫才師役を伊東四朗さん、

新婦の父親で現在は市会議員役が角野卓造さん、とキャスティングを見ただけで

面白そうな顔ぶれです。

 

この作品を面白くしているのは「勘違い」と「その場しのぎ」です。

 

結婚式当日なのに新郎新婦ともに父親に「結婚すること」を話していません。いよいよ

話そうというときに、喧嘩別れした父親たち(元漫才コンビ)が鉢合せ。その日のイベントが

自分たちのコンビ再結成のサプライズパーティを息子娘が仕込んでいると勘違いします。

 

過去の経緯から再結成を渋っていた新婦の父親も、自分が次の選挙で後援会から支持

されないことを知り、コンビ再結成を決心。元相方とネタの稽古をし始めます。

そのネタがなんと“お嬢さんをください”。娘の父親に結婚の申し込みに行くというネタです。

 

中に“うちの娘はやらん”という台詞があり、それを聞きつけたホテルの担当者が

(両親が争っている)と勘違い。慌てて仲裁に入ったところ、ネタの稽古を一緒に

やらされることになり、・・・。

 

あまりに真剣に勘違いしているために、新郎は本当のことを言いだすことができず、

その場しのぎを繰り返すうちに事態がどんどん悪化するというコメディーです。

 

三谷さんの作品には“その場しのぎ”をする男がしばしば登場します。「有頂天ホテル(映画)」

では役所広司さん演ずるホテルの副支配人。元妻に遭遇し、自分はホテルの従業員ではなく、

功績が認められ表彰されたと偽り、その場しのぎを繰り返します。「ラジオの時間(映画)」は、

全編その場しのぎです。戸田恵子さん演ずる大物女優のわがままからラジオドラマがどんどん

書き換えられ、出演者・制作側全員でその場しのぎを繰り返すたびに辻褄が合わなくなっていきます。

 

 

“その場しのぎ”。これは会社の上司部下のやりとりの中でもよく見られます。

真実や本質にさわらず“その場しのぎ”をしてしまう。その結果、事態が悪化し大問題に。

 

この根底にあるのは「保身」です。相手に悪く思われたくない、という想いからつい

“その場しのぎ”をしてしまいます。しかし、その“その場しのぎ”がバレたときには

間違いなく悪く思われます。“その場しのぎ”はいいことがありません。それなのに

瞬間的に“その場しのぎ”をしてしまう人がいかに多いことか。(自戒をこめて)

 

自分の価値が周囲との関係性の中で相対的に決まると思っているので、“悪く思われたくない”

という意識が強く働くのではないでしょうか。日本語の構造がそれを後押しします。

 

「5W1H」について以下の順番で教わることが多いですね。

 

「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「なぜ」「どうした」

 

全体の風景を描写した上で、主体となる「誰が」が出てきて主張します。環境優先です。

自分の主張をする前に環境説明をしていくので、その際、相手の顔いろを見て、

最後の主張のトーンを微妙に変え、相手が受け入れやすい内容に“調整”できます。

これが日常的な軽度な“その場しのぎ”です。この癖がいざということに

“その場しのぎ”を本格的にしてしまうのではないかと思っています。

 

相手がどう受け止めるかと考える前に、自分の主張をしましょう。

 

英語的に[Who][What][How][Where][When][Why]の順番で考えるようにすると、

自分主体になります。最初に自分の主張を明確にするので“その場しのぎ”がしにくくなります。

 

小さなことではありますが、5W1Hの順番を変えて考えることが、“その場しのぎ”癖から

脱するためのトレーニングにもなるかもしれません。

(最終的には“心のもちよう”次第ですが。)

 

 

おまけー1:近くのスーパーでいろいろ食料品をカートにいれていたところ、

そのカートが自分のではないことに気づきました。慌てて一部の商品を返しに行き、

戻ってみるとそのカートが消えていました。

 

たくさん買い物をされた方へ。ごめんなさい。

 

おまけー2:なにやら右肩が痺れるようになり、整体通いをしています。

 

「これだと150キロのストレートも投げられないし、Exileのオーディションも受けられないな・・・」

「ということは何の影響もありませんね。」(賢者の言葉)

 

おまけー3:今月号のDRESSは表紙が「長谷川京子さん」。読み応えある記事が満載です。

http://p-dress.jp/ 書店、コンビニでお求めください。

 

 

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