Vol.660 大塚家具に思う

今日のテーマは「大塚家具」です。「大塚家具」さんについてはマスコミを通じてしか

知りません。ただ、オーナー企業の改革という文脈から関心をもって、過去のお家騒動

以降この会社の動静を見ていました。

 

その「大塚家具」について、以下の興味深い記事を目にしました。

 

「富裕層に見放された大塚家具のたどる末路」(President Online 2017.8.25)

http://president.jp/articles/-/22906

(せっかくなのでプレジデントオンラインの登録を)

 

まずは、上記サイトの記事をご覧ください。ここで書かれている「戦略のミス」系の話は

(よく分析されていると思いますが)それが正しいのかどうかは、わかりません。

が、柴田の目線で追記したいことがあります。それは「人材が育っていない」のだろう

ということです。そのために今は業績が立ち上がっていない。ここが我慢のしどころ。

私はそう見ます。

 

オーナー系の企業やドライブ力が強いリーダーが君臨するとその直下の層はフォロー集団に

なりがちです。上の意向を確認し、その実現のために腐心する。それが行動様式に沁みついて

います。このため、その環境が変わったときにすぐには対応しきれません。

 

社員に新しいことをやろうという意思がないわけではありません。ヒアリングをすると

新しい環境で頑張るという力強いコメントを耳にしたはずです。ただし、身体が動かない

のです。やってきていませんから。

 

これは想像です。久美子社長も社員たちとの対話を通じて、“意欲を感じ、やれる”と

判断したのでしょう。しかし、思ったように社員が動けなかった・・・のではないでしょうか。

大塚家具の場合には創業社長の下に古参の社員が参集したと報道されています。となりますと

、経験値が浅く、同じやり方しか知らない比較的若い集団と自分から行動を起こすよりも

“待つ”年齢の高い集団。それが今の大塚家具の主たる社員像ではないかと。そうなると、

どんな戦略を講じたところで実現しません。ここで業績があがっていないことから、

必要以上に現場を叱責すると気ばかり焦り、更に状況が悪化します。

 

しかし、このどん底から這い上がった時は非常に強い集団に生まれ変わっているはずです。

上から降ってくる戦略を鵜呑みにして、その実行に右往左往していた集団が、その戦略を

“換骨奪胎”して自分で考え、自分で調整しながら進める集団に変わってきます。

そうなると強い。“生まれ変わり”完了です。

 

ただし、生まれ変わりの直前は我慢のしどころです。辛い時期が続きますが、そこで

短気的な施策に走ってしまうと“生まれ変わる”ことができません。一時的に業績は

浮上するかもしれませんが続きません。

 

劇場版「風の谷のナウシカ」に象徴的なシーンがあります。誕生して身体が固まりきって

いない巨神兵が、無理に動かされたために下半身が溶けて絶命してしまいます。

まさにこんな状態になってしまいます。

 

繰り返しになりますが、「大塚家具」の内実はわかりません。が、おそらくそんなことでは

ないかと。だから、今は暖かく見守る時期だと思います。ぶれずにやっていれば、

3年後くらいには復活するだろうと思います。

 

頑張れ! 大塚家具!

 

 

おまけー1:先週、個人タクシーさんについてネガティブなことを書きましたところ、

「こんなに頑張っている運転手さんもいるよ」というご連絡や記事を送っていただきました。

そうなんですよねー。そういう方がいることも事実。そうでない方々が評判を形成してしまうのが

怖いところです。

 

おまけー2:おもしろい話を聞きました。某アーティストのコンサートのアンコールで

 

「今日はありがとう。一緒に歌ってください。新曲の・・・です。」

 

(誰も歌えなかったそうです。)

 

おススメコーナー:ヘッドハンティング会社のプロフェッショナル・バンクのWEBで

インタビューを受けました。よろしければご覧ください。

 

「柴田 励司氏-企業が求める次世代リーダーの育成と課題、そして対策」

http://www.pro-bank.co.jp/saiyo-meister/professional-interview/fostering-next-generation-leaders

 

 

 

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