Vol.670 納豆と目玉焼き

“納豆もらえますか?” 大阪でよく利用するホテルのクラブハウスでお願いしました。

ここ数年、大阪出張の際には、たいていこのホテルを利用しています。

客室から堂島川を望み、堂島川沿いに立つオフィス群に思い出あり。

さらに、ここはどこにいくにも便利です。

 

この日の朝は和食の気持ちだったので、納豆をお願いしました。和朝食なら納豆は

欠かせません。さすがに大阪。納豆は言わないと出ないようです。

 

“卵どうしましょう?”とクラブハウスのお姉さん。

“あ、お願いします。” さすがに気が利きます。

 

で、出てきたのが納豆と目玉焼き。・・・目玉焼きです。

 

“ん? 大阪では納豆に目玉焼きをかけるのか・・・? 

 

周囲を見ると日本人は私だけ。うむむ・・・と思っていたら、

インドネシア系のゲストと目が合いました。

(そうか、ナシゴレンと同じか。)

 

ということで、ごはんの上に納豆をかけ、その上に目玉焼きの黄身をのせて

いただきました。(うまい。)しかし、納豆に目玉焼きというのが文化的に驚きでした。

自分にとって当たり前のことが違う。違うことが当たり前になっている。

これが異文化に触れるということだな、と改めて実感しました。

 

そうなのです。自分にとって当たり前のことが違う。しかし、成果は出ている。

(この場合は“うまい”です。)確かに納豆の上に目玉焼きが乗っかっているのは

変に見えますが、そう思うこと自体、偏見なのかもしれません。食べてみたら、

うまかった。ということは問題なし、ということです。

 

最近、“発達障害”により退職、退学を余儀なくされたという若者の話を聞く

機会がありました。彼らはある分野では飛び抜けて優秀です。ところが、

ちょっととしたことが得意ではありません。

 

「朝起きることができない」

「文章を読むのが著しく遅い」

ケアレスミスが多い」

「革靴をはくのが苦手」

「同時に二つのことができない」

 

こういう“発達障害”ならではの特徴があります。その結果、“あいつは使えない

(使いにくい)”という評価・評判になり、その結果、いづらくなり退職、

退学せざるを得なくなったとのことでした。退職までは至らなくても、

居場所に困ってしまう。そういう人が結構いるようです。

 

惜しいですよね。見方を変えれば、余人をもって代えがたい人材です。

朝、定時に来ることが求められない仕事にアサインすればいいのです。

同時に二つのことができないのなら、一つだけのアサインにすればいいのです。

おそらく、普通の人ができない相当難しいことでも、やってのけるはずです。

 

発達障害”を自認している人がこう言っていました。“僕の取り扱い説明書が

あるといいのに”。そうなので、“取り扱い説明書”をつくって、それを意識して

仕事をお願いする。そういうことだと思うのです。それにしても、“発達障害

という言い方がいけません。室町時代であれば近眼も障害の一つです。

もうちょっとポジティブ言い方があって然るべし。

 

 

さて、くだんの「目玉焼き納豆」の続きです。

同じ日、某大阪本社の幹部人材12名にお会いしたので、聞いてみました。

 

“大阪では納豆に目玉焼きをかけるんですねー”

“は? 何言うてますの。”

 

 

翌朝、顔なじみのスタッフに聞いてみました。

“あ、生卵は衛生上の理由からお出ししていません。目玉焼きやゆで卵の

黄身をトロトロにしてお出ししています。”(最初にそう言ってくれ。)

 

 

おまけー1:そういえば、名古屋で冷やし中華を頼んだときに、

当たり前に「マヨネーズ」がかかっていたことに文化の違いを実感したことを

思い出しました。目玉焼きに「ソース or 醤油」論争もそうですね。

 

おまけー2:11月10日のNHK SONGS「井上陽水×玉置浩二・安全地帯」、いい番組でした!

31年ぶりという「夏の終わりのハーモニー」はもちろんでしたが、

井上陽水ソロの「ワインレッドの心」は珠玉。

 

http://www6.nhk.or.jp/songs/prog.html?fid=171110

 

 

 

 

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