「無と無限は近い」。
ある会合でお会いした著名な先生がポロリとおっしゃった言葉です。
まさにそのとおり。
私たちは「無限」の情報に囲まれています。
そうなると、何をピックアップしたらいいのかわからないので、
結局のところ「無」と同じことになるわけです。
組織の中で共有すべき情報はたくさんあります。
営業報告、指示、相談事項、ちょっとしたお知らせ、お願い事項、
人事情報、ルールの改訂・・・。
それこそ、膨大な情報量です。
これが毎日、毎日、蓄積されていくわけです。
メールの受信箱はいつも満杯、見なくてはいけないサイトもたくさん。
真面目に全部きちんと理解しようとすると、仕事どころではなくなります。
PCや携帯型端末に向かう時間がどんどん長くなってしまいます。
本末転倒。なんのための情報共有かわかりません。
仕事をしやすくするためのツールのはずが、
そのツールに支配されているような状態です。
密度の高い仕事をすればするほど、
一つの情報の処理にかける時間が短くなります。
そんなとき、受信メールの本文だけではわからず、
数十ページもある添付ファイルを見ないといけない、なんてことをやられた日には、
その送り手の”好感度ランキング”は圏外になります。
更に、その送り手が”これだけのものを送ったのだから、読んでいるはず”
と鼻息荒く接してきたりすると、もうダメ。
そいつのランキングは網走を越えて、北極あたりの圏外まで飛びます。
そんな場合でも、人間ができていると、”ぶち殺す”とか言わずに
優しい声で、送り手に”要するに何?”と尋ねることになりますが、
“要するにこういうこと” が言えず「メールを見てくれ」などと言おうものなら、
その野郎のランキングは大気圏外にすっとんでいきます。
一方で情報を発信する側に回ると、受信者に理解してもらおうとして、
懇切丁寧に重量級のコンテンツをつくります。
しかし、良かれと思ってやっているこの行為が情報を「無限」にしているわけです。
こんなことを続けていてはいけません。
発信者の努力とそれに費やした時間(コスト)が無駄になり、かつ、
その情報がきちんと共有されたことによるプラス面が全く期待できなくなります。
しかも、”好感度ランキング”が低下・・・、いい事が全くありません。
先週1週間の私の1時間あたりの平均メール数が30。ひどい状態です。
ブラックベリーを駆使して、細切れの時間で処理していますが、
それでも通常の予定がぎっしり入っているので、とても追いつきません。
メールは24時間以内に処理する、というのを自分のルールに課しているのですが、
根性だけではどうにもなりません。
こうした現状に鑑み、社内のメールで「大勢に情報共有するもの」については
対象者宛の送信を止め、ある受付窓口に送ることにして、
個人が指定する関心度合いに応じて、その内容が表示される
My pageをつくってくれるよう指示しました。
I-Googleの社内版みたいなものです。
これが実現すると、本当に自分が読むべきものだけを受信することになります。
メールの書き方についても、本文で大まかな内容がわかるように書くこと。
その上で詳しく知りたい場合には添付やリンクサイトの内容を
受信者が自分の意思で見に行くようにする。
送り手が強制してはいけない。
こういう基本的なことを徹底することにしました。
そうは言っても、短い文章で”伝えたい事”がわかるように書く、というのは、
それなりの文章力が必要です。
しかし、このスキルがないと、情報共有ではなく、
情報を散らかしていることになりますから、メール社会の中では
必須なスキルの一つになります。
新人の教育、中堅社員のリフレッシュ研修で、
ぜひ取り入れるべきテーマだと思います。
社内に気の利いた研修がなく、この手のことに不安がある方は、
常日頃から、できるだけ文章を書くようにしてみてください。
しかも、できるだけ短い文章で内容を網羅できるようにしてください。
タイトル、小見出しを読むだけでだいたいの内容が
想像できるようにやってみてください。
このトレーニングを意識的に行なうようにするとよいでしょう。
そのうち、これが当たり前になります。
あと、細かい話ですが、メールのレイアウトも重要ですね。
目を動かさなくても読めるだけの長さに切って表現するよう気をつけてみませんか。
このメルマガも一応、気をつけているつもりですが。
おまけ:
いろいろな所で花火大会が行なわれていますね。
電車の中で浴衣姿のギャル3名が私の真後ろに。
「ねずみ花火って、チューチュー言うからねずみ花火っていうんだよね」
「そうそう」 (えっ?、最近のねずみ花火はチューチュー言うのか?))
「あたしの彼、電通」 「あたしの彼は大和ハウちゅ」(笑)
「えー、そうなんだー。あたしの彼はCCC」 (えっ! 背中が目!)
「CCCって?」
「わかんなーい」「キャハハハ」