3月1日「2020年人材育成責任者の会@セミナーハウスフォーリッジ」初日でした。
大企業、外資系企業、中堅企業、ベンチャー企業というカテゴリーを意識して参加者を
調整させていただき19名での開催となりました。
人材育成の前線に立っておられる方、2020年に責任者になっているであろう方々を対象と
したこともあり、みなさん、よく喋る、喋る。仕込みのアイスブレークの前から
勝手にブレークしておりました。
まず、私から基調講演として以下のお話しをしました。
経営の目線として人事の責任者にやってほしいのは、1)自社の成長に資する人材の確保、
2)人件費の最適化、3)人材データベースの維持管理、4)情報の流れの円滑化、5)組織感情の
把握、6)組織力学の活用、7)ダイバーシティの実現、8)自らの後継者問題の相談 であると。
その中で「自社の成長に資する」ために、人事責任者は自社の成長シナリオを経営者の
目線で理解すべきこと。成長シナリオと人材開発シナリオは表裏一体。
人材開発シナリオなしの成長シナリオは絵に描いた餅になる、とお話ししました。
さらに、今の日本が直面している”待ったなし”として、以下の4点について解説しました。
1.「グローバル対応」 待ったなし!
2.「若年層減少/高齢者増加」 待ったなし!
3.「新規事業開拓」 待ったなし!
4.「女性の幹部職登用」 待ったなし!
特に、生産年齢人口が減少する中、2020年に現在の労働人口を維持するには、マクロ的には
定年を68まで引き上げる必要があること、つまり、「70歳定年時代」への備えが必要である
ことをお話ししました。
「70歳定年時代」を何もせずに迎えてしまいますと、”老害“、”若手社員の採用ができない
こと”、”新規事業の立ち上げに難”・・・等の弊害が起きることが容易に想定されます。
これらにいかに対処すべきか、この辺りのお話しをしました。
その後、大企業、外資系、中堅企業、ベンチャー企業に分けて、それぞれの課題を共有して
もらいました。(以下、参加メンバーからの情報共有のまとめです。)
ベンチャー企業は「仕事ができる1名ないし数名でスタート」する。その後、成長に伴って
社員を採用するが、初期メンバーとの能力ギャップが課題。初期メンバーはアウトプットを
出すことへの意欲はあるものの、ヒトを育てることへの関心が薄い(頭ではわかっていても)。
これを解決するためには、ヒトを育成する文化を組織に植付ける施策が必要である。
中堅企業の課題は、経営層が考える「求められる人材像」と現場の意識にギャップがあること。
「現場は目先の結果を出すこと」を最優先しているので、ハイパフォーマーは現場で結果を
出せる人という定義になる。組織を成長させて結果を出す人にスポットライトが当たららない。
将来のために、ここをつなぐ施策が必要となる。
外資系企業は、意思決定の蚊帳の外にいること(戦術レベルに留まること/長期的な視点を
持てない)、機能別の縦割り構造が強いために人事施策の足並みが揃わないことが課題。
この状態から脱するには、グローバルの人事の意思決定のメンバーに日本人が入ることが
最も効果的。(「大きな仕事をしたいなら偉くなれ」 (踊る大捜査線から)と同じですね。)
大企業の課題は、役割責任を拡大しても処遇を合わせられないこと(給与が上がらない)、
人数が多いのでヒトを把握しきれていないこと、4半期決算から短期的に結果を出すことが
求められ、長期的な育成・評価が後回しになること等、課題が山積。解決の方向性は
見えているものの、なかなか動きが遅い。
その後、チームを3つに分けて以下のテーマに取り組んでもらうことにしました。
(1)ハイパフォーマー人材の育成:
意欲があり、グローバルリーダー/ビジネスリーダーへの成長可能性の高い人材をいかに育成するか
(2) ローパフォーマー対策:
本人の意欲の有り無しに関わらず、会社にプラスの貢献ができない人材をいかに減らすか
(3)人材育成責任者の育成:
企業の成長・維持のための人材確保をリードする人材育成責任者をいかに育成するか
この3つのテーマについて、これから2か月検討いただき、4月末に提言を作成します。
出来によりますが、それなりの小冊子を作成して関係方面に配布したいと思っています。
この手の勉強会を企画するのはマーサー時代の1997年に企画した「10年度の人事を考える会」
(これは10年以上継続)以来ですが、いいものです。継続企画しようかと。
但し、今回のアウトプットの出来が良いことが前提ですが。
おまけ:「空気を読むを科学するセミナー」開催決定です。(3月28日の19時~やります。)
このセミナーのココロは”「察する」「空気を読む」をスキル化する”です。
欧米では60年代から盛んに研究されている「微表情」。ときに本人も気づいていない本音が
表情に現れてしまうため、その活用は諸刃の剣です。事実、欧米では「ウソを見抜く」ために
FBIなどの取り調べの分野で大いに活用されています。しかし、反対に「相手と良好な関係を築く」
ためにこの微表情を活用すれば、それは人間関係を助ける強力なツールとなります。
「この人はどうしてこんなに”分かってくれる”の だろう」と相手に感じてもらえるからです。
ビジネスや日常生活で出会う「相手の気持ちを察する」「会議の空気を読む」といった能力が
高い人は、無意識のうちに微表情をよみとり、活用できている可能性があります。
どうすればこの能力を「スキル化」できるのでしょうか?そして、微表情を活用することには
どんな効用があるのでしょうか?
本セミナーは、日本ではまだよく知られていない「微表情」の存在と効用を紹介し、日々の
コミュニケーションで活用する道案内をするものです。実際の「日本人の表情写真」を豊富に用い、微表情を中心にまとめた日本初のセミナーです。
お申込みは以下より!