「人生100年時代。」 数年前からよく見聞きする言葉です。10月1日からの
“幼児教育の無償化”に際し、安倍首相が改めてふれていました。ちなみに、これは
「LIFE SHIFT(ライフ・シフト)100年時代の人生戦略」(東洋経済新報社、リンダ・
グラットン、アンドリュー・スコット著)の中で語られた言葉です。日本政府発ではありません。
Wikipediaには以下のサマリーが掲載されています。
“これまでの人生設計は「20年学び、40年働き、20年休む」という「教育・仕事・老後」の
3段階が一般的であったが、100歳まで生きることが一般化する社会では、年齢による
区切りがなくなり、学び直しや転職、長期休暇の取得など人生の選択肢が多様化すると
予想している。”
100歳を超えて人が生きるようになる。であれば、高齢者から若者まで、全ての国民に活躍の
場があり、全ての人が元気に活躍し続けられる社会、安心して暮らすことのできる社会に
しなければならない。これが政府目線です。その実現のために掲げているのが「人づくり」です。
この文脈から、政府は幼児教育・高等教育の無償化、介護人材の待遇改善、年金問題を含む
財政問題の改善などをアジェンダとしています。
こうした環境整備はありがたいことです。どんどん進めていただきたいです。が、
「人生100年時代」の主体者はあくまでも個々人です。「人生100年時代」は自分事なのです。
「教育20年、仕事40年、老後20年」という概念にわれわれは縛られがちです。まずは、
ここから脱却しましょう。この考え方は80歳までに死ぬことが前提です。これが100歳となると、
老後40年になってしまいます。40年ですよ。ありえないですよね。
しかし、現在、50歳から60歳の人にとってはこれが現実なのです。もろもろの制度変更が
追いつかないでしょうから「老後40年時代」に突入します。(もしかすると、40歳代の人に
とってもそうかもしれません。)本気でこの問題を自分事で考えていかないと辛い晩年
(元気でやることも金もない)が待っています。
誰かに教わる(学校)で20年、誰かの指示の下で働く(サラリーマン)を40年やってきますと、
“自分で考え自分で動く”ことが習慣づけされてません。いや、自分は管理職として
意思決定してきたから大丈夫だ、と思うかもしれません。ただし、組織の中で
“上がってきた事案”の意思決定とは違います。組織を離れると、誰も事案をあげてくれません。
組織の中で働いていると誰かに自分のスケジュールを決められがちです。やれ、会議に出席せよ、
やれ報告書をつくれ、だれだれと会え・・・等々。この状況に文句たらたらの人が多いのですが、
ある意味でこれは楽です。誰かが時間を埋めてくれるわけですから。組織を離れた後は違います。
自分で自分のスケジュールを埋めていかないといけません。そこで、“埋められない”という
事態になると一気に辛くなります。
スケジュールが埋まらない、誰も自分の時間を必要としていない。そう思うと辛くなります。
そんなことはありません。世の中にはあなたの力を必要としていることはたくさんあります。
それを自分で見つけていく。現時点でアラフィフ以上のサラリーマンの最大の課題です。
これまで、自分が費やしてきた経験を“資産”化します。それが総括です。その上で世の中に
還元していきます。還元にあたっては取捨選択と時節に合わせたアップデートをします。「
老後40年」ではなく「総括還元の40年」にしましょう。
おまけー1:
某所でのこと。左手にソフトクリームを持つ老人あり。
隣にいた奥さんとおぼしき女性が聞きました。
「いま、何時?」
「ん?」 (時計を見ようとしたところ、クリームが床にぼとり)
(あわててしゃがんでティッシュでクリームを拭いています。が、ソフトクリームが右腿にベチャリ)
「なに、やってんの!」と奥さん。
「あ」(勢いよく立ち上がったところソフトクリームが奥さんの服にベチャリ)
(これを笑わずに見るのは辛い)
おまけー2:「40代で必ずやっておくべき10のこと」(the 21編集部)発売です。
以前、私がインタビューを受けた内容を含め、珠玉の面白いインタビュー集です。
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