Vol.662 火に油を注ぐ

今日のテーマは「火に油を注ぐ」です。

 

ここのところ、毎日のようにOT(体験型ケーススタディ)のファシリテーション

担当しているのですが、この状況によく出くわします。

 

ネットで調べますと「勢いよく燃えている火に油を注ぐと、ますます火勢が強くなること

から。騒ぎをいっそう大きくしてしまうなど、その結果を望ましくないものとして使う。」

とあります。

 

この展開、いろいろなところで目にしますよね。特にクレーム対応の場面。ご立腹されて

いるお客様に対応している人間が、この「火に油を注ぐ」発言をしてしまう・・・。

これは相手が何について立腹しているのかを理解せずに、その場を抑えるための発言や

その場しのぎの発言をしてしまうので「火に油を注ぐ」結果になるのです。

 

出張でとある著名ホテルチェーンに宿泊したときのことです。遅い時間のチェックイン

だったので、外で食事をとるのをやめてルームサービスでオーダーしました。

今では(胆石発作予防から)禁断の「ステーキピラフ」と生ビール。とても美味しそうな

シズル感満載の写真。ピラフの脇にモンキーバナナサイズのステーキ片が6枚。

“おお、なかなかいい感じじゃん”と思いオーダーしました。

 

20分後、届けられた現物を見てびっくり。モンキーバナナどころか、お刺身サイズの

ステーキが4枚。笑ってしまうくらい違うのでさすがにルームサービスに電話しました。

 

“あの、メニューの写真と全然違うんですが・・・”

 

20分後、マネージャーという男性がやってきました。

 

“申し訳ありません。メニューの写真とお料理が違うと聞きまして、あの・・写真は

イメージ写真でして・・・”と言いながら、現物を見てあんぐり。

“すみません、すぐに作り直します。”

 

更に20分後、くだんのマネージャーが新たにつくった「ステーキピラフ」と

瓶ビールをもってやってきました。

 

“作り直してきました。・・あの、これ飲んでください。ほんの気持ちです・・・”

 

ニュー「ステーキピラフ」はウエハスくらいのサイズのステーキ片が6枚。

しかし、写真ほどではありません。

 

“ありがとう。でもまだ写真とは違いますね”

“・・・前の伝票ありますか。ピラフのお代は結構ですので・・・、

このビールも飲んでください。”

“そういうことではないので、代金は払います。ビールはもう飲めないのでいりません”

“いやいや、前の伝票ください。そうおっしゃらずに飲んでください。気持ちなので”

 

このやりとりは全くかみ合っていません。私はホテル業界に9年いたので

この著名チェーンのブランドを心配しました。「誇大広告」まがいのことをして

ゲストをガッカリさせるのは良くない。この思いから連絡したまでで、

代金を払いたくないとか無料のビールが欲しかったわけではありません。

メニューの写真が「誇大」であることを実感していただき、

今後どう改善させるかを考えて欲しかっただけです。

 

この後、「料金いりません。飲んでください。」攻撃が続き、

ついていない火がつき、油が注がれる結果となりました・・・(やれやれ)

 

エラそうなことを書いていますが、人の振り見て我が振り直せ。自分も同じようなことを

してしまうことがあります。私の場合には相手の怒りや不満を理解せずに、

その場しのぎ的なことを言ってしまい「適当である」として火に油を注ぐ傾向があります。

常に反省。まだまだです。

 

 

おまけー1:このメルマガの読者で「Mr. 火に油を注ぐ」という人がいます。

自分だと思う人はメールしてくるように。

 

 

おまけー2:月1回の「NHKおはよう日本」の「おはビズ(サラリーマンの掟)」ですが、

次回の放映は9月19日(火)の朝6時10分頃の予定です。

 

タイトルは「上司のやる気が業績低迷の原因?」

 

おススメコーナー:ライフネット生命さんが良いフォーラムを立ち上げましたのでご案内します。

 

「がんと就労」がテーマです。がんにかかった仲間に対して企業としてどのような支援をすべきか、

がん就労者に対する周囲のリテラシーをどのように高めていくか等についてのフォーラムです。

 

詳しくは以下をご覧ください。(第一回が10月6日です。)

http://www.lifenet-seimei.co.jp/shared/pdf/gan-ally-bu_20171006.pdf

 

 

 

 

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