ご無沙汰しております。お元気でしたか?
今日から「人事の目」を再開致します。引き続き、よろしくお願い申し上げます。
6月27日に開催する定時株主総会を以て、パス株式会社の代表取締役CEOを退くことと
致しました。“雇われ経営者は3年”という信条と昨年度の目標であった最終黒字化を
達成することができなかったことへの“けじめ”です。5月31日に発表致しました。
売上4億円未満のグループの再建をお引き受けして売上は8倍にしました。3社の買収、
2事業の売却、1事業の停止と、この3年間は“切った張った”の連続でした。
リアルOT(修羅場体験)の3年版を自ら体験してきたようなものです。過去にも
“雇われ経営者”として複数の会社に関わってきましたが、今回の再建事業は
“もろもろの事情”から非常に難易度が高く、厳しい毎日でした。
なんとかやってこれたのは、優秀なスタッフたちのおかげです。
しかしながら、応援いただいた株主の皆様のご期待に応えることができなかったのは
事実です。非常に申し訳なく思っています。
後任として発表しました中原信一郎さんは10年来の知人です。総合的にバランスの
とれた素晴らしい方です。これまでに、トップとして自分の後任を選ぶということを
過去に3回やってきていますが、今回も自分がやるよりも良いと思える人にお引き受け
いただき、嬉しい限りです。
今後は取締役として、中原さんの支援をしつつ、徐々にIndigoblueの会長としての仕事、
柴田励司個人としての活動を増やしていく予定です。
さて、今回のテーマは「良い忖度と悪い忖度」です。
辞書には「忖度」とは「他人の気持ちを推し量ること」と書かれています。
これはホスピタリティそのものですね。
“相手の期待を予見して動く”。私なりのホスピタリティの定義です。
ホスピタリティはビジネスの実践、人間関係の形成において極めて大事な要素です。
この有無、レベルがその成否を決めます。この実践に「忖度」は欠かせません。
「忖度」そのものは必要かつ良い行為なのです。
しかし、森友問題を皮切りに「忖度」の印象が悪くなりました。先日、とある講演会場で
忖度についてのイメージを聞きましたところ、ネガティブな印象を抱く人が50%以上
いらっしゃいました。
そもそも、なぜ、部下が上の忖度をするのか。これは、それをすることで「上が喜ぶ」
または「組織のためになる」からです。上は上で、自分が指示する前に部下が動いて
くれたり、自分が気づかなかったことを先取りして動いてくれたりすると安心します。
この人であれば任せられると思うものです。これは「良い忖度」です。
しかし、これを超えて行われる「忖度」には悪い要素が加わってきます。忖度者の
“野心”が首をもたげるのです。“上の意向”を錦の御旗にして、その影響力を
自分の欲しいままにしようとする野心です。また、そのために、上にとって
“ややこしい”と思っている案件を忖度し、自主的に解決してあげて、上にとって
自分が欠かせない人物であるという立場を固めようとします。実際に上としても、
自分のために“汚れ仕事”をしてくれる人に対して精神的に負い目が生まれます。
上に負い目を抱かせるほどの忖度。これが「悪い忖度」です。
人間集団である組織ではこの「悪い忖度」は必ず発生します。これが起きないように
することは無理だと思います。そうなると、「上」が“悪い忖度”に気づいたら、
すぐにその芽を摘んでおかないといけません。「上」がそれに気づいていないときには
「上」のスタッフが指摘しないといけません。放置すればするほど、対処が難しくなります。
なんでもそうですが、初期対応が肝心ですね。(私も気を付けます。)
おまけー1:6月2日(金)のNHK金曜イチから「わたしたちと“忖度”(そんたく)」
の中で私の講義の様子が紹介されました。顔がまるい。なんとかせねば。
おまけー2:知らない番号からの着電があり、「はい」と出ましたら、「どんぴょ!」と
言って切られました。折り返すかどうか、難しい判断です。ちなみに若い女性からの電話でした。
おまけー3:最近、Twitterを乗っ取られ、身に覚えのないフォロー、リツイートがされ
参りました。気になったのでFacebookも調べてみましたら、こっちも!身に覚えのない
アクセスポイントが表示されました。知らないうちにマッチングサイトにも登録され・・・
怖いですねー。