「頼芸様にお会いして立派な方だと思ったことは一度もない。しかし道三様は立派な
主君であった。揺るぎない誇りを持っていた。土岐様やおぬしにもないものだ。
そなたには組みせぬ!」
5月10日(日)に放映されたNHK大河ドラマ「麒麟がくる!」の一場面です。父親の
斎藤道三と争い殺害した高政。その高政が道三側についた光秀に切り出します。
「今一度機会を与える。わしの行う政(まつりごと)を助けよ。さすればこたびの
過ちは忘れよう。」
「そなたとは組みせぬ!」 自分のリーダーと認めない。光秀が高政に宣言した瞬間でした。
優れたリーダーは“あの人と一緒に働きたい”と思われています。更には、“あの人の
ために働きたい”とまで思われている人がいます。その人自身は自分のために働け!とは
思っていませんが、一緒に働いているメンバーが“あの人の想いを叶えたい”と思っています。
そこに理屈はありません。心からそう思っているのです。こういう集団は強いです。
なにしろ、“叶える”の主語はリーダーではなく働いている人たちですから。
給与や福利厚生、会社の評判などの諸条件が良いから働いている。こういう人たちの
集団は大変です。まず、指示をしなければなりません。メンバーのモチベーション
維持向上策もあれこれ考えないといけません。ただ、施策をあれこれ考えたところで、
それよりも好条件が出てくると簡単にそちらになびいてしまいます。
働く上での条件は働く場所を決める上で重要な要素です。しかし、それらは人と人の
集団である組織の結束力や原動力を決定づけるものにはなり得ないと思うのです。
組織に力をみなぎらせるものは、リーダーの人間性ではないでしょうか。
リーダーがビジョナリーであれ、というのはこのためです。リーダーの想いに
感化されると人は主体的に動きます。リーダーの語る想い、その熱が人を動かすのです。
高校時代、男声合唱の部活動漬けの毎日でしたが、その原動力は指揮者の顧問のO先生の
想いでした。O先生が語る理想のハーモニー、ダイナミクス、コンクールで金賞をとること。
これらを聞き、それを実現したいと強く思い、勝手にいろいろやっていました。確実に
O先生の熱に動かされていました。O先生は、O先生が学生時代に薫陶を受けた存在として
M先生のお話しをよくされていました。M先生の、想いを伝える熱がO先生に伝わり、
O先生の熱が私を含め当時の川越高校音楽部のメンバーに強く影響を与えていたわけです。
想いを伝える「熱」は伝播します。「熱」を持った人に人は惹かれ、その人のために
力を尽くしたいと思います。「熱」の放出のさせ方は人それぞれです。明らかに
熱情的な人もいるでしょうし、物静かなたたずまいであっても、内面に強い「熱」を
感じさせる人もいます。ただし、想いを語らないとその「熱」が伝わりません。
リーダーは自分の「想い」を伝える機会を作りましょう。日常的なふれあいの中で
語るのが最も効果的です。自分の主義主張を話すのではありません。指示をするの
でもありません。自分がやっていることについての「想い」、それを語るのです。
自分がやっていることへの揺るぎない誇り、それが人を動かす「熱」になります。
(トップに限らず、すべての管理職へ。
「お会いして立派な方だと思ったことは一度もない」と思われないように。)
おまけ-1:リモート会議で使えるリモアカード。IndigoblueのIT担当O氏がスマホ版を
作ってくれました。(カードの方が手軽ですが、もう1500セットも作っているので、
今後はこちらをご活用くださいませ。)
https://indigoblue.co.jp/lp/cards/
おまけー2:Amazon Primeに「マイ★ヒーロー」(月額499円)なる特集があります。
「柔道一直線」「赤影」「ジャイアントロボ」「悪魔くん」といったラインアップに痺れます。
おまけー3:某男子トイレにて。「3密になっちゃいけないから」といって
、便器から30センチくらい離れて用を足す中年の男性あり。(そういうことなのだろうか・・・)
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