Vol.798「コロナがこれまでの人事制度を陳腐化。動きましょう。(メールマガジン「人事の目」より)

金曜日、久しぶりに鉄道を利用しました。ソーシャルディスタンス関係なく空いている
スペースにどっしり座ってくる人。マスクをしていない人がぞろぞろ。車両内はコロナ
以前の感覚の人が半分くらいの感じでした。木曜日には久しぶりにリアル会食をしました。
利用したレストランは窓を開け、テーブルあたりの着席者数を減らし、かつ参加者を
透明のアクリル板で区切るという徹底した感染対策を施していました。一方、タクシーから
見えた恵比寿三丁目交差点にある某カフェバーでは店員、お客、誰もマスクをせず、
大声で話し・・・、典型的な三密でした。

緊急事態宣言が解消されたということは、感染予防の責任が行政ではなく個人や企業に
課せられたということ。ワクチンが一般化されていない現状、注意するに越したことは
ありません。いたずらに脅えることは全くないと思っています。必要あらば外出もし、
人にも会います。ただし、考えられる感染予防はしておく。これがコロナ時代のエチケット
だと思います。

“そんなの関係ねぇ”系の人が一定程度いると、その人たちが所属するコミュニティ
(組織もそうです)は新しい生活様式(ニューノーマル)を実践できません。新しい
生活様式派は困ります。一緒にやれないので離れていきます。ところによっては争いが
起きるかもしれません。整理と新しい規範が必要です。

企業においてもそうです。コロナ禍により、会社の中に、働く場所を限定しない
リモート・ワークと特定の場所に行かないと仕事ができない非リモート・ワークが
あることが明らかになりました。非リモート・ワークの中には会社の維持や付加価値に
深く関わるエッセンシャル・ワークとそうではない非エッセンシャル・ワークがある
ことが明らかになりました。

課題も明確です。この数ケ月の在宅勤務経験からリモア(リモートワーク)で十分に
仕事ができることを体感したリモート・ワーカーからすると、元の働き方に戻るのは苦痛です
。リモアにより、ワークライフ・インテグレーション(「仕事」も「生活」も充実。
相乗効果も発揮)が実現しつつあったはずです。以前と同じ働き方を強制すると、
生産性の高いリモート・ワーカーから離れていくと思います。リモート・ワーカーが
快適に働くためのルール、環境整備を急ぐ必要があります。

例えば、

1.全員の役割責任を明文化し公開する
2.全員のリモア環境を整える(「個々人がビデオ会議できるポータブルのIT環境の整備、
  必要なセキュリティの整備、全員が同時にしても耐えられるサーバーの用意、
  自宅からのリモアでは難しい人のための集中業務ができる場所の確保(ホテルとの契約)」
3.全員が集まることを前提としたオフィスを止める(規模を縮小する)※以下の4.5の原資創出
4.1か月に一度程度、全員が集まり、雑談、懇談できる場を設計する
5.通勤手当を廃止、テレワーク手当を支給
6.時間管理を止め、評価を仕事の成果・結果とその案件量を基準とする
7.成長のための機会を用意する(主体はあくまでもリモート・ワーカーとする)

エッセンシャル・ワーカーについても課題満載です。まずは報酬の引き上げから。働く時間と
場所を特定されることから手当を加算すべきだと思います。休暇も増やしましょう。
当然ながら「労働集約」の部分はロボットへの置き換えを検討します。

非エッセンシャル・ワークについてはそのプロ集団にアウトソースしましょう。代表的なものは
オフィスのファシリティ全般のマネジメント、ITのヘルプデスク、人事関連のアドミ業務など。

コロナはこれまでの人事制度の考え方を一気に陳腐化しました。動きましょう。


おまけ:六本木アカデミーヒルズ主催『上司の「当たり前」をやめなさい』
発刊記念セミナーの詳細です。

6月29日(月)の19時から20時半。Zoomにて。

執筆したときの“やめるべき上司の当たり前”はコロナによって変わりました。
“アフターコロナ版”上司の「当たり前」を止めなさい、をテーマにお話しします。
オンラインなので申し込まれた方は全員参加できると思います。

お申込みは以下からお願いします。(お待ちしています!)

https://eventregist.com/e/Qs5zy6O32vtc

 

 

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