年度末、評価の季節になってきました。評価そのもの、面談、フィードバックなどなど、
評価者としては、あまりExcitingではない仕事が目白押しです。
前にも書きましたが、仕事がデキるヒトたちは、「評価」についてあまり
気にしておりません。なんといっても一流ですから、いつでも良い評価がつきますし、
自分に自信がありますから「上司の評価」など関係ないというマインドで
仕事をしているはずです。
問題は、高い評価を受けるはずだと思っているが、上司を含め周囲が
そうは考えていないヒトです。自分は最高位の評価がつくと信じているところに、
そうではない評価、例えば上から2番目などがついて、納得できないとして大クレーム。
挙句の果てには、その気もないのに「退職」もちらつかす。春先によくある光景です。
しかしながら、この手の対応で、明らかに組織の生産性は低下し、
エネルギーレベルが落ちます。クレームしている方も、クレームを受ける方も、
その対応にあたっている人事部門の人間も”やってられない感”を覚えます。
どこの組織でも、こういう行動を起こす人がある程度います。程度の差はあれ、
全社員のうち5%から10%くらいはいるんじゃないでしょうか。
さて、こういうヒトのことを便宜上”納得できないくん”と称します。
“納得できないくん”からすると、”これだけ仕事をして、結果も出したのに、
その評価では納得できない”に尽きると思います。実際、誰も真似ができないような
ハードな仕事ぶり、その上、計画通りの結果も出しているのでしょう。
現象だけを見ていると「最高位」の評価であってもおかしくないのでしょうが、
心ある上司としては最高位の評価をつけるのが躊躇されることがあります。だから、
最終的に”上から2番目の評価”になったりするわけです。
“納得できないくん”のちょっとした言動や日常的な行動に気分を害したり、
傷ついたりしている人を散見、または”納得できないくん”の手段を選ばない
仕事の進め方や強引過ぎる進め方、はたまたIntegrity(誠実さ)を欠いた言動が
気になるわけです。このヒトに最高位の評価をつけてよいものか、と。
ココロの声が「違うなあ」と言っているわけです。
一言で言うと”納得できないくん”は人望がないのです。ご本人は気づいておりませんが、
明らかに周囲はできればかかわりたくないと思っています。
そういう人に最高位の評価はつけられません。もし、最高位をつけたりすると、
“あれでいいのか”ということになってしまいます。
周囲は、その評価をつけた上司の目を疑います。または、誤解して、
第二、第三の”納得できないくん”を誕生するおそれがあります。
ココロある上司であればあるほど悩みます。評価制度なんか、なければいいのに・・・
その間、組織のエネルギーレベルは落ちています。
残念ながら、この手の問題はなくなりません。
評価というものを根本的に見直さなければ、 “納得できないくん”はいなくなりません。
そもそも、何のために評価をするのか、というと実務的には「昇給と賞与の配分査定、
それと昇格・昇進を決めるため」だと思います。ここの考え方を変えなければいけません。
例えば、私はこんなことを考えています。
まず、入社3年目以降は全員、残業手当の対象から外します。
いわゆるExemptにします。もちろん、それなりの月額報酬は担保します。
入社3年目までは、会社の都合で強制的にローテーションさせる対象なので、
職種に関わりなく、全員残業手当の対象となります。
自律的に仕事をする環境ではありませんから。(ちなみに、これで残業手当の申請、
集計、チェック、支払いにかかわる業務が激減します。)
Exempt以上については、3つないし4つのグレードにわけて、そのグレードの
対象者の金額はシングルレート(1グレード1金額)にします。インフレ、デフレや
社会保障や税金などを考慮して、NET incomeが変わらないように調整はします。
が、グレードが変わらない限り、この金額は変わりません。
(これで、昇給に関係する業務が激減します。)
賞与は、プロフィットシェア(利益連動型)にします。その上で、プロフィットシェアの
ロジックを開示します。また、組織の業績も開示します。
プロフィットシェアの配分については、予め決めておくテーブルに沿って、
機械的に決めます。ここはフォーミュラ(算式)だけで決めます。
よって、配分前から各人は自分がいくらもらえるかわかります。
(これで、賞与に関係する業務が激減します。)
昇進や昇格については、徹底的に「ヒトの主観」を使います。
詳しくは別の機会に書きますが、上位職数名が推薦し、それを上位職全員で
投票して決めるというものです。推薦した人は昇進、昇格されたヒトの行動に1年間、
責任を持ちます。STAR WARSのJediの評議会方式と同じです。
ここで納得しないとアナキンがダースベーダーになるようなことは起きるかもしれません。
しかし、自分に票が入らないという現実を直面することで気づきが生まれます。
(ここは、やや手間がかかります。が、やり方さえ馴染ませてしまえば、
今の制度の昇格、昇進の審査よりは手間がかからないはずです。)
このように、20世紀型の評価システムにはまだまだ”変える”余地が
たくさんあると思います。変えることで、”納得できないくん”対策にココロとエネルギーを
消耗することなく、顧客価値創造に没頭できます。
ここもやるべきことは見えたので、後はやるだけ。
おまけー1:
秋葉原で寒そうに立っているのは「メイドカフェ」の客引きではありません。
出張サービスのメイドです。サービス内容もかなり違うことが、
秘書のNさんの協力による調査の結果わかりました。
おまけー2:
先日、あるパーティで手作りのおでんが登場!しかし、 “ちくわぶ“がありません。
なんと、高いのだそうです! あの”ちくわぶ“が高いとは!
幼少時、自宅近くの屋台のお兄さんから、いろいろな味のつまった”ちくわぶ“を
もらっていた頃(三丁目の夕日の世界)とは違うなあ。
おまけー3:
韓国の免税店やホテルはブランドものを購入する日本人で満杯だそうです。
円高とはいえ、いやはや。不況の影響はある一定の層に激しく影響しているが、
その他は(心理面を除くと)影響なし、なのかもしれません。(市場に金はある。)