「柴田塾」のプログラムの中に「アシュミレーション」というものがあります。
初対面の参加者が3人一組になり、インタビューする人、インタビューされる人、
観察する人の3つの役割を担いながら、1回15分のインタビューを(3回役割を代えて
)行うものです。
インタビューを通じて、観察者がその人の強み・弱みを推察。インタビュー終了後に、
インタビューした人と観察者は、インタビュー対象者の「継続すべきこと」
「新たに始めるべきこと」「見直すべきこと(止めるべきこと)」について考え、
追ってフィードバックします。
初対面のわずか15分のインタビューなのですが、いろいろ”指摘されること”に
驚かされる参加者も少なくありません。そうなのです。いろいろ見えるのです。
17年前、ボストン郊外のBabsonカレッジで行われたマネジメントプログラムに参加
したときに、私自身が米系中国人、アイルランド人とのアシュミレーションを通じて、
“驚かされた”経験から、このメニューを柴田流にアレンジしてプログラム化しました。
アレンジのポイントは”オフサイトの開催”、”利害関係、日常的な関わりが無い
メンバー””シンプルな質問構成”。これらの設定があると、人は自然に
自分の鎧を脱ぐものです。
フィードバックの際に私がいつも申し上げていることがあります。
“気質は変えられないが、行動様式は変えられる”
生まれ持っての気質を変えるためには「暗くて狭いところに長くいれておく
(刑務所方式)」と「臨死体験」くらいしかないと言われています。その真偽は
ともかく、刑務所方式も臨死体験もビジネスの現場でやることではありませんし、
仕事のために気質を変えてくれ、というのはおこがましいと思います。
気質に直接触りに行くのではなく、行動に着目しましょう。行動さえ変われば、
周囲に与える影響や評価は変わります。
そのためにおススメしているのが”こうなりたい”という姿をイメージして、
その姿に”なり切る”ことです。あたかも、台本を渡された役者がその役柄に
なり切るように演じてみませんか。
演じるというと”偽っている”思われるかもしれませんが、私が言いたいことは
そうではありません。”なりきってみよう”ということです。役者は台本の中の
セリフからその人物の心象風景、想い、信条に想いを馳せ、その役柄になりきって
舞台に立ちます。だからこそ、そこにリアリティが生まれ、見ているものを信じこませ、
引きこみます。これをやりましょう。
おそらく、誰もが無意識のうちにこれをやっているはずです。面接や営業の場面で、
相手に気に入ってもらえるように、わかってもらえるように努力することもこの範疇です。
もっと基本的なこととして、身だしなみを整えることだってそうです。これを意図的に
やることで、自らの変化の幅を大きくすることができます。
こうした努力が行動を変え、それが定着すると”気質”にも影響が生じてきます。
結果として、”気質”も変わります。
これをやろうというときに、モデルとなる姿をイメージできるかどうか、これが鍵です。
だからこそ、いろいろ優れた人に接し、話しを聞き、一緒に仕事をし・・・という
プロセスを通じて、自分を高めるイメージの材料をたくさん得ましょう。
いい仕事をすると更にいい仕事をするチャンスが巡ってきます。いい仕事の構成要素は
昔から言われている「天の時」「地の利」「人の和」。いい仕事をすればするほど、
これらの要素が高まっていくものです。自分を高めるイメージの材料も飛躍的に増えていきます。
仕事人間の男性が家庭でうまくやれないのは、”家庭人”としてのイメージ材料が
乏しいことです。ここを意識的に取り込んでいく努力をしましょう。(私も頑張らないと!)
おまけー1:ライフネット生命、代表取締役会長兼CEOの出口治明さんからご紹介いただきました
出口さんの新著「部下を持ったら必ず読む 「任せ方」の教科書 「プレーイング・マネージャー」
になってはいけない (角川書店単行本)」はおススメです。イメージを膨らませるための材料が
満載です。
おまけー2:自由が丘のフカヒレ中華レストランの「蔭山楼」が12月3日に「ラーメン大賞(名店
鶏パイタン部門)で日本一位に!(確かに美味いです。)
代表シェフの蔭山さんが海外展開を一緒にやってくれる料理人をお探しとのこと。
どなたかいませんかねー? (世界5か国からオファーがあるらしいのですが、
人がいなくて困っています。)