Vol.259 今年はキャリア育成革命!

ただ今発売中の雑誌「President」で、さまざまなシーン別のオススメ本特集をしています。
私も中堅社員向けのオススメの本ということで15冊推薦しております。
年末の超多忙の中で受けた取材でしたが、せっかくの機会なので、テキトーに選ばずに
“自分にとって本当に役立った本”をピックアップしてみました。

やってみると、これがなかなかいい。
自分の小歴史を紐解いているようなプロセスになります。
今となっては、すべて良い思い出かつ”青臭く”気恥ずかしいことなのですが、
当時の悩み事や熱い想いの記憶が、本のタイトルと併せて浮き上がってきます。
自分の棚卸になりました。

この手の企画こそ、TSUTAYAで映像や音楽と合わせてやれるといいなあと思っています。
TSUTAYAは、日本中どこでも映像、音楽、本などを借りたり、売買したりできる場所
ではありますが、単にそういう機能的なことをやっているお店であってはいけない
と思っています。何といっても目指しているものは、映像、音楽、本を通じた
“ココロ=人生”の充足(これを「生活提案」という)ですから。

オススメ本について、詳しくは、Presidentをご覧ください。他の方が推薦されている本も
見ましたが、結構ためになります。保存版だと思います。

さて、2009年が本格的に稼動しました。今年から、これまで問題意識を持っていたことを、
どんどん具現化していこうと思っています。そうしないと、20世紀型資本主義や経営管理
呪縛から脱却できず、間違いなく苦しくなるからです。

変えなくてはいけないことはわかっていても、今までやってきたことを止めたり、
変えたりするのは勇気を伴います。もし、今以上に悪くなったら・・・という怖れが
あるからです。その判断を現場でしにくいのは当たり前。しかし、
一番切迫感があるのも現場。だから、”現場と経営が一体化”して、経営が責任をとる
ことを前提に、リスクをとって断行するのです。

今年の「人事の目」はそんなテーマが多くなると思います。
まず第一弾は、 “キャリア育成を革命する!”。

上司が部下のキャリア育成に責任を持つ、みたいな話がありますが、これは無理難題。
そもそも、自分のキャリアについて考え、実行していくのは自分です。良い思いをするのも、
辛い思いをするのも自分です。他人がどうこうできる問題ではありません。

上司だって、責任持てと言われも、本当の意味で責任を持てるテーマじゃないですよね。
(求めに応じて助言するので精一杯ではないでしょうか。)

経営がすべきなのはキャリア育成のための環境を整えることです。
その一番のエンジンになるのが本人の主体性です。やりたい仕事は自分で獲得する、
人事発令があって、役割を任じられ、仕事をするのではなく、自分で手を挙げて
主体的に仕事を取りにいくようにするのです。

黙っていれば仕事がある、とか、人事や上司から何か言われなければ同じ仕事を継続する、
というのが今の一般的な仕組みですね。これを変えなければなりません。
戦略に基づいて組織が形成され、その組織への所属については、毎年リセットする。
つまり、募集と応募という行為が毎年行われるようにすべきだと考えています。

これは、異動を考える主体を人事から本人に変えることを意味しています。
ここに主権の移動があります。すなわち、これは革命なのです。

例外があるとしたら、新卒です。新卒が見えている世界は限定的です。
これはしょうがない。そこで、3年かけて5箇所くらいの異なる仕事に就いてもらう。
ここは、本人の希望は関係なし。会社の意向でやっていただきます。

その後は、自分の意思で自ら主体的にキャリアをデザインしてもらいます。
これは雇用期間とセットではやりませんし、リストラとも違います。たとえば、
リセット時に1000ポジションあったら、再応募の際にも1000ポジションは確保しておくことを
原則とします。但し、特定のポジションに必要数を超える応募があった場合には、
その組織のリーダーが選ぶことになります。残念ながら洩れた方は、
他の仕事をしながら次のチャンスを待ちます。

同時に、キャリアデザインの対象範囲を拡大します。
一つの企業や団体に所属していると、どうしてもその中での職種や仕事の中で
キャリアデザインをすることになります。
もし、他社で経験を積もうとしたら、転職しなければならないのが今の仕組みです。
ここも変えたいと思っています。

業種・業界が異なり、また規模が異なる企業間でネットワークをつくって、その中での
“出向”をコーディネートするようにしようと思っています。
例えば、大企業で専門化された仕事で働いている経理マンが、このネットワークを使って
中小企業で管理本部長の仕事をする、もちろん、その逆もあり、
これらの経験蓄積が可能になります。

これは当人同士ではなく、双方の会社にとっても大変なメリットがあります。
目に見えない資産を蓄積した社員を退職させることなく、社外の経験を積んでもらうことが
できますから。

この仲介作業にコストが発生しますが、そのコストは人材紹介会社を活用するよりも
圧倒的に安い手数料でまかなうことにします。(基本、固定費だけやね。)

CCCでは「人材流動化憲章」を作りました。社員の成長のために人材の流動化が
促進されることを事業責任者たちがコミットしたものです。自分の事業成長のために、
人材を囲い込むという発想はやめよう、というものです。
やることは見えてきました。後はやるだけ。

おまけー1:
かつてキャドセンターで、奈良の新薬師寺のバサラ神像を3GCD化して、
過去の色を復元するという試みをしたことがあります。その実物を見てきました。
やはり、本物は違います。千年以上経っていても、創った人やこれまで見物した想像を
絶する人数のの気が込められています。 キャドセンターの映像もオススメです 。http://www.cadcenter.co.jp/casestudy/detail.php?ID=cg0067

おまけー2:
某大社の巫女さんが、唇を紫にして青ざめた顔でお守りを売っていました。
あまりにご利益がなさそうな気配だったので、ホカロンをあげました。
(お守りは定額でした。権限委譲されていないらしい。)

おまけー3:
柴田励司.comが、新しくSNSサイトとして生まれ変わりました。
メルマガのバックナンバーほか、メンバー同士で意見を交わしたり、質問・回答できる
コミュニケーション機能を盛り込んでみました。
メルマガに鋭い視点で返信いただく皆様の相互交流に場と致したく。是非お試し下さい!

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