「圧倒的な当事者意識。これを感じさせる人には「より大きな仕事のチャンス」が訪れます。
先週、この「圧倒的な当事者意識」を感じさせる二人にお会いしました。
いずれも大企業に勤めるアラフォーです。
二人に共通していることがありました。”上司が近くにいない中、大きな仕事をせざるを
得なかった“という経験です。仮にAさんとBさんとしましょう。
Aさんがやっていた大きな仕事は買収した海外企業の案件、Bさんはとある地域の重要案件
でした。いずれも30代前半で担当責任者として現地で奮闘する毎日だったそうです。
さすがに判断に迷うことがあり、上司に相談しようにもAさんの上司は日本に、Bさんの
上司は別の県にいます。日常的には頼ることができなかったそうです。
これが良かったのです。”上に頼れない“という経験が“自分が最後の砦”という意識を
開花させたのだと思います。前にも書きましたが、どんなに小さい組織であったとしても、
責任者という役割は人を育てます。
思い起こすに私もそうでした。学生時代から自分で判断して行動しなければならない経験を
たくさんしました。これが、与えられた仕事であっても、当事者意識をもって臨む癖づけに
つながったと思います。
順調に昇進し、将来が嘱望されるお二人ですが、リーダーとしての知識、スキルと経験に
偏りがあります我流流自然体で伸びてきたわけですから、ある意味で当然です。彼らに適切に
円熟してもらうために、対話を通じて必要な箇所を補足していこうと思っています。
“任せる”と言っても、日常的に上司の姿が見えるとやりにくいものです。気にしないで
いいと言われても、気にしてしまうのが正常な感覚です。“任そう”と決めたなら、
リーダーは意図してその姿を隠す。これも部下育成術の一つになりますね。
当事者意識は旺盛だが“ずれて”いる。中にはこういう人がいますよね。この人はその
当事者意識の強さから目立ちます。その結果、いろいろな仕事の機会も与えられます。
ところが、アウトプットがずれています。周囲への配慮も足りません。任せたはいいが
その後のフォローを要することになります。
”任せていいか“の見極めが必要です。仕事を任せるための必要条件が「当事者意識の強さ」
だとすると、その十分条件を確認しましょう。十分条件になるのは「完遂した成功事例の有無」
です。どんなに小さくても良いのです。任された仕事を周囲に迷惑をかけることなく
完遂したことがあるか。ここを確認しましょう。
当事者意識が旺盛だが“ずれている”人は、唯我独尊ですべて自分の解釈だけでやろうとします。
このため、決め事を勝手に変更したり、伝えるべき人に伝えなかったりします。何をやっても、
何らかのトラブルが発生しているはずです。こういう人にはなかなか大きな仕事は任せられ
ませんね。まずはごく小さなことから完遂を目指してもらいましょう。
小さな仕事しか任せてもらえない、と不満に思う前になぜ任せてもらえないのかを内省できると
いいのですが。(こういう人は内省しない傾向がありますので)
圧倒的な当事者意識はいいのですが、場所を選ばず発揮していると“迷惑な存在”になります。
何事もTPOをわきまえて。
おまけー1:長雨のせいで蝉が鳴きませんね。蝉たちは地中でどうしてるんでしょうかね。
来週あたり、一斉に出てくるんでしょうか。
おまけー2:タクシーに乗ると「b-dash!」のCM出すぎ。乗った瞬間におぎやはぎの
「b-dash!」という声が聞こえるのが嫌です。一方で「営業は足が命!(それ古いです)」は
おもしろいのでついつい見てしまいます。暴風雨の中でズボンが上までめくれる新作はおもしろい。
すべては構成と演出ですね。
おまけー3:7月28日22時からJ-Waveでサイレントラジオという聴覚障害者にもわかるみえる
ラジオの企画があります。ダイアローグインザダークによる企画です。ぜひ耳を傾けてみてください。
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