「柴田さん、今日は東京にいらっしゃいますか?」
水曜日の朝、1本のメールが入りました。マーサー時代に人材紹介でお世話になった
Mさんからのメールです。
この日はパスの取締役を含め、合計11の予定あり。空きは12時~12時30分のみでしたが、
久しぶりにお会いしたかったので、この昼飯どきに来てもらいました。
Facebookで彼の近況について見ていましたが、直接話すのは数年ぶり。しかし、顔を
合わせるや否や、すぐに時間の壁はなくなりました。秘書の佐々木さんに用意して
もらったお寿司を食べながら近況を話し、あっと言う間の30分でした。
数年ぶりに“いきなりやって来て時間の壁を無くす”。この感じがいいですね。
精神的な距離感。これがヒトとヒトとの関係性を決めます。この距離感の取り方が
抜群にうまい人たちがいます。Mさんもその一人。
「胸襟を開く」「腹を割って話す」。英語でもHeart-to-heartと言いますよね。
まずは、自分の“見栄”や“格好づけ”を無くす。これで相手も同じことをしやすくなり、
打算や下心なしに、まさに心と心がつながるわけです。
しかしこれ、タイミングが重要です。相手がその気になっていないときに、自分だけ
“腹を割って”も相手は馴れ馴れしいと思います。近すぎるのです。また、この逆もダメ。
いつまでたってもよそよそしいと思われます。遠すぎるのです。
相手に対してへりくだるのもダメ。仮にそれで相手が気持ち良くなったとしても、
優越感を維持しようとして“格好づけ”をするので相手が疲れます。この関係性は長続きしません。
近すぎず遠すぎず。優越劣位なし。この距離感です。
先日、“土のデザート”を出してくれるお店に連れて行ってくれたIさんも距離感の
取り方が抜群にうまいおひとりです。Iさんは日本を代表する誰でも知っている企業の
常務なのですが、“偉い人”オーラを出されません。初めてお会いしたのは2年ほど前ですが、
あっと言う間に絶妙な距離感を創ってくださいました。
15年来の友人のTさん。この人はすごい。相手が誰であっても、良好な関係性をつくる
天賦の才があります。駐日アメリカ大使とも気軽に距離感を構築されているので、
さすがに驚きます。このTさんが友人・知人を招いてのホームパーティや勉強会ができる
邸宅を埼玉県に建設しました。彼の長年の夢の実現です。
何度がお誘いいただいていたのですが、日程が合わず。このGW中にようやくお伺いすることに
なりました。(せっかくなので、邸宅訪問を季刊誌「DRESS」で取材させてもらうことにしました。)
距離感の達人。彼らの特徴は私利私欲がないことです。自分の売り込みや頼みごとは一切なし。
単純にその人との関係性を楽しんでいます。この自然体があっと言う間に絶妙な距離感をつくる
秘訣だと思います。彼らと比較すると私はまだまだ生臭い。見習わなければ。
ところで、冒頭のM氏の要件はなんだったんだろう?
おまけー1:地下鉄内で耳にしたとある家族の会話。
母親:来月、嵐がくるんだって!
娘:ほんと!? 学校休んで行こう!
祖父:ん? 植木、大丈夫かな・・・
おまけー2:「シビル・ウォー」(アベンジャーズシリーズ)にアントマン出るみたいです。
それどころか、スパイダーマンも出るみたいです。これはエライことです。見に行かねば。
おまけー3:DRESSのWEB版。読者激増中です。ぜひ、ご覧下さい。